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25年周期の都市伝説  作者: けろよん


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第17話 闇にひそむ影

 田村の言葉が、彩花と翔太の胸に重く響いた。力を手に入れることで町を支配する者たちが現れる――それが今、彼らが直面している現実だった。しかし、彼の言う通り、その力を使わずに町を守る方法があると信じたい。信じなければ、今までの努力がすべて無駄になってしまう。


「父が望んでいた道……」


 彩花が呟く。

 田村はその言葉にしばらく黙って頷いた。


「君のお父さんは、町の未来を思い、その力を封じ込めた。それは、力を使わずに町が繁栄することを願ったからだ。しかし、今、再開発計画の裏に潜む者たちは、その力を使おうとしている」


 翔太が口を開く。


「でも、力を使わずに町を守る方法って、一体どうすればいいんだ?」


 田村は視線を落とし、静かに答えた。


「それは、お前たちが探し出さなければならない。お前たちの力だけではなく、町の人々の協力が必要だ。再開発計画の裏で動いている者たちの目的は、ただ町を支配することではない。あの力を使って、もっと大きなものを手に入れようとしている」


 その言葉に、彩花は一瞬恐怖を感じた。再開発計画が進むにつれ、町は確実に変わり始めていた。そしてその背後に、誰も知らない「大きなもの」が存在している――その何かが、彼らにとっての最大の脅威だ。


「それじゃ、どうすればいい?」


 翔太が言った。


「僕たちにできることって、何かあるんでしょうか?」


 田村はじっと彼らを見つめた後、低い声で言った。


「一つだけ方法がある。それは、再開発計画の核心に迫ることだ。計画を立てた企業や政府の関係者たちをできる限り早く調査し、その計画を暴かなければならない。しかし、それには町の全ての協力が必要だ」


 彩花は心の中で葛藤した。町の人々が協力して力を合わせることで、再開発計画を止めることができるかもしれない。しかし、それがどれだけ難しいことかは、彼女もよく分かっていた。既に力を持っている者たちが動き出している以上、時間が無いのだ。


「でも、どうやって調査するんですか?」


 翔太が言った。


「僕たちだけでは手に負えませんよ」


 田村は目を閉じ、しばらく黙っていた。


「私も手助けができるかもしれない。だが、君たちが直接動くことで、どんな結果が待っているか保証はできない」


 その言葉に、彩花は覚悟を決めた。彼女は一度大きく息を吸い、言った。


「私たち、やります。私たちが動かないと、町がどうなってしまうか分からない。だからこそ、私たちが立ち上がらなければならない」


 翔太も、静かに頷いた。


「僕たちがやらないと、誰が町を守るんだ。力を使わずに、町を守る方法があるなら、信じて進むしかない」


 田村は二人の決意を見て、ようやく微かに頷いた。


「分かった。では、まず最初に、君たちが調べなければならないのは、再開発計画の背後にいる人物たちだ。そして、そこで得られる情報が、次の一手を決めることになるだろう」


 その言葉を受け、三人は町の中央広場に向かって歩き出した。田村は自分が持っている情報を基に、少しでも有利に事を進めるために手を貸すと言っていたが、結局のところ、最も重要なのは自身の行動だと、彩花は感じていた。




 町の広場に到着したとき、空はどんよりと曇り、ひんやりとした風が吹き抜けていた。再開発計画の中枢が控える場所に近づくにつれて、町の雰囲気はますます不穏さを増していた。普段見かけるはずのない人物が、建物の周囲に立ち、何かを監視している様子だ。


「警備が強化されてる……」


 翔太がつぶやいた。


「でも、何かおかしい」


 彩花はじっとその周囲を観察した。警備員たちは、表面上は町の治安を守るために配置されているように見えるが、その目つきや態度にはどこか冷たいものを感じる。何かが隠されているのは確かだ。


「あの建物、入り口が見えない」


 彩花が言った。


「後ろ側に回ってみよう」


 二人は建物の背面に回り込んだ。そこには意外なことに、隠された入り口があった。誰も見ていない隙に、二人は静かにその扉を開けると、暗い通路が続いていた。


「ここは……何かの入り口だ」


 翔太が小声で言った。

 その時、背後から急に足音が近づいてきた。二人は慌てて隠れる場所を探したが、すぐには間に合わなかった。足音が止まり、誰かが話している声が聞こえる。


「誰だ、そこにいるのは……?」


 彩花と翔太は顔を見合わせ、息を殺してその場に身を潜めた。

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