1-5 治療
モルテを守りたい気持ちが彼を突き動かす。
「こっち!」
モルテの裾を強く引く。
「?」
「お願い!手当てさせて。その方が生存率上がるでしょ?」
怪我を放置した状態で満足に戦えるわけがない。それはモルテがよく理解していることであり、マレクの言っていることには説得力があった。
真っ直ぐモルテの目を見つめるマレク。
「...分かりました」
その瞳に何を見たのか、モルテは苦い顔をしながら渋々了承した。
2人は近くにあった洞穴へ逃げ込んだ。外からの攻撃はある程度防げるが逃げ場がなくなる。モルテなら絶対に行かない場所だろう。だが彼はマレクを信じた。マレクに確固たる意志を感じたからだ。
「なるべく早めに頼みます」
周囲の安全を確保してから横になるモルテ。
(モルテ...即決してくれた...信じてくれたんだ)
マレクに医学の意識はない。治療の術も知らない。だが確信があった。モルテを救えるのは自分だけだと。
先程の雪崩を止めたときのことを思い出す。あの力のことは何も分からない。分からないが本能的に理解した。この力は”気持ち”が影響するものであると。
(モルテ...お願い...)
モルテの手を握り一生懸命祈る。マレクの体から淡い光が少しずつ溢れる。その光はモルテの周囲を包みこんだ。




