3-3 間合い
モルテはマレクを抱え走る。周囲にあるのは雪のみで射線を切ることのできる場所はない。刀で防いではいるがいかんせん数が多い。弾丸がモルテの体を掠めていく。マレクに当たらぬよう包み込むかのように抱え走る。
(...あれは使えるか)
何を思ったのかモルテは逃げの姿勢から一転、マールスへと突進する。リーチの差を埋めるにはこうするしかない。
「自暴自棄になっちゃったのかな?」
的が近くに来てくれるのだ。当たらないはずがない。しかし、当たらない。弾丸が2人に当たる直前消滅してしまうのだ。当たってはいないものの、モルテは苦悶の表情を浮かべている。
(魔法ではない...?何かで無効化した...?何だろ)
マールスは油断せず攻撃の手を緩めない。弾丸はみるみる消えていく。
「っああ!」
モルテは苦しみのあまり絶叫しながらもマールスへと肉薄していた。刀をマールスへ向ける。
舞う鮮血。マールスの右腕に刀が突き刺さる。モルテは肩で息をしていた。
「ふふ...はははは!!!」
マールスは動揺すらせず銃を捨てた。刀を右腕に生やしたまま腕を滑らせ、モルテへと肉薄する。
(魔力でできた弾丸にモルテ自身の魔力を流し込んで無力化してるんだ...!!彼はそういう体質...つまり...)
「近接攻撃なら無効化できないんだよね?」
マールスの狙いは勿論マレクであった。マレクの首筋に体重の乗った蹴りが入ろうとしていた。
「っ!!」
咄嗟にモルテは刀を手放し、倒れるかのようにマレクへと覆いかぶさる。そこへ容赦なくマールスの蹴りが鋭利な刃物のように突き刺さる。




