1-3 目覚め
寒さのせいか、はたまた恐怖か。震えながらマレクは向かってくる。
「帰りが遅かったから...って酷い怪我だよ...逃げようよ...」
「駄目です。被害が大きすぎます。止めないと」
マレクは孤児だ。モルテが引き取りこの雪山で暮らしている。大人としてマレクという子供を守らねばならない。逃げるよう手で促すモルテであったが。
「やだ」
マレクの体が大きく震える。
「マレク」
宥めようとするモルテ。
「やだ...やだ...やだよお...」
「言うことを聞い...」
「モルテが傷つくのも、雪崩でみんな苦しむのも...」
「僕はっ...いやだ...!!!!」
激昂したマレクの体が光り輝く。眩い光が辺りを照らし出す。
(...っ!!)
視界が白で埋め尽くされる。しかし先程とは違ってあたたかい光が差し込む。
強烈な光が止み、視界が晴れてくる。そこには雪崩など最初からなかったかのように全てが消え失せていた。
「マレク...!!」
糸が切れたように倒れかかるマレクを間一髪で支える。慌てて容態を確認するとどうやら疲労から寝ているだけのようだ。
(負担をかけてしまったみたいだ...守らなければ。今度こそ)
強く拳を握りこみ、改めて決意する。彼は世界に抗い続ける。




