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2-13 対価
モルテとマレクは顔を見合わせる。
「...マレク。止めておいてなのですが」
「うん。分かってるよ」
「何を...」
事情が呑み込めないナハトを前にしてマレクは少し恥ずかしそうにしながら告げる。
「僕どういうわけか勇者の力持ってるんだ。力になれるかも」
「は...?」
理解できず固まるナハト。
「いや、俺、そんな、」
(俺がどう頑張っても見つけられなかった方法を...こんなにあっさりとなんて...俺今まで何してたんだろ)
言葉を詰まらせる。ナハトは取り乱しているようだ。深呼吸をしたのち、落ち着いたのか平静を取り戻していた。
「...ごめん。大丈夫。お願いします。俺が払える対価なら何でも払うから」
その言葉を聞いた瞬間、モルテがにやりと笑う。
「言いましたね。やりましたよマレク、労働力確保ですよ」
「言い方!!でもそうだね。僕たちは魔神を止めようとしてるんだ...ナハトさえ良ければ一緒に世界を救ってほしいな」
「...ははっ、大きく出たね。好きに使ってよ、彼女を取り戻したら」
あたたかい雰囲気に包まれる一同。唯一モルテだけは眉間に皺を寄せていた。
(本当に可能なのか...?"今"のマレクで...)




