2-10 罪の意識
「あの...私はここで...」
セイラがおずおずと手を挙げる。
「どうしたの?」
「私のせいでこうなったんだから一緒にはいられないよ」
彼女は罪悪感で押しつぶされそうになっていた。意を決し口を開く。
「私はハイスの眷属。脅されてたとはいえ雪崩を起こした張本人。本当に...何て謝ったらいいのか...ごめんなさい」
頭を深々と下げるセイラ。
眷属とは力の一部を受け取る代わりに服従しなければならない存在。今回はハイスがセイラに力を渡し、セイラを支配している状態だ。
「えっ...そんな...」
マレクは反応に困っていた。セイラに敵意がないのも、嘘をついているわけではないのも分かる。だが彼女の行いでモルテが傷ついたのも事実であった。
「セイラちゃんのせいじゃないよ。無理やり従わされてたんでしょ?」
「それでもやったことには変わりないよ」
俯くセイラに対しナハトは呑気な口調で言葉を発す。
「う~ん...じゃあ俺もついて行っていい?」
「なんで!?話聞いてた!?」
「俺は死なないから怪我もノーカンでしょ?だから後ろめたさ感じなくて済むじゃん?」
「感じるよ!!!!私のためにナハトがこれ以上巻き込まれる必要はないよ」
「俺が巻き込まれに行ってるんだよ?」
「え」
「何があっても俺だけは味方だから」
「...ありがとう」
正面からそんなことを言われ、赤面してしまうセイラ。完全にナハトのペースに乗せられている。
(嬉しいけど...何で初対面なのにずっと私のことを気にかけてくれるんだろう...)
「2人の世界すぎて割り込めなかったんですが」
「わああああごめん!!」
「俺は気にしてないです。ただハイスは恐らく生きている。あまたはこれからどうするつもりなのか聞かせてもらえますか?」
ハイスの支配により再びこちらに牙をむくことも考えられる。モルテは慎重にならざるを得なかった。
皆の視線がセイラに集中する。
「私は...」




