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1-2 白と赤
真っ白な世界。視界を白が埋め尽くす。怒涛の勢いで白き奔流が押し寄せてくる。食いしばった歯からは白い吐息が漏れ出る。体は悲鳴を上げ始める。
「がっ...げほっ!うっ...ぁ...が...」
体が耐えきれなかったのだろう。足元が赤く染まる。
彼の名はモルテ。モルテは黒い髪を持ち背広を着ていた。右半身に火傷痕があり不気味な雰囲気を纏う。
彼は無謀にも災害に1人で抗おうとしていた。雪崩を止めるなど不可能に近い。だが彼の諦めの悪さは折り紙付きだった。
雪山や雪原に住む生物も少なくない。この雪崩をこれ以上放っておくことはできない。
モルテは氷魔法を得意とする。雪もその延長線上で操ることが可能だが、いかんせん量が多すぎる。
多少死ぬのは覚悟しなければなりそうだ。
(マレクは怒るでしょうね〜〜〜)
死ぬ間際だからか、思わず大切な存在のことを思い浮かべる。
「モルテ!!!」
(そうそうこうやって....って)
振り向くとそこには守らなければならない存在がいた。
「何で来ちゃったんですか!?」
思わず上擦った声が飛び出る。黙って出ていった故追ってきたのだと察した。1人にさせるべきではなかった。己の失策にため息が出るモルテ。




