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第6話 見た目はゼロなのに頭は回る
ルナは店長を真っ直ぐ見た
「……身体を売る仕事なら、さらに稼げる。
それは“短期での最大効率”だけを見た場合の話です」
「ほう」
この一言で、彼女は会話の主導権を奪った。
「身体を売る仕事は高単価でも短命で残らない。
キャバなら接客も営業も数字管理も学べる。長く使える資産になる」
ルナはまっすぐ店長を見る。
「それに…この店は…私を“売上”で評価してくれるから」
ルナは視線を逸らさずに言い切った。
店長がわずかに口角を上げる。
「……数々の嬢を品定めしてきたがその言い回しは初めて聞いたな」
ルナは視線を逸らさずに続けた。
「頭の回る"商品"は初めて?」
「面白い女だな。
見た目はゼロなのに、頭は回る」
店長は深く椅子にもたれた。
「…じゃあ」
「ただし即採用じゃない。
体験入店、今日やってみな。」
「ありがとうございます」
今日、ルナの戦場が始まる。
だが、この日ルナは、この店の女たちだけが知る“ある残酷なルール”をまだ知らなかった。
留学費用の残り金額:1000万円/残り日数:365日