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第3話 面接は戦場
──新宿駅の人混みを抜け、予約していたビジネスホテルに着く。
6畳ほどの狭い部屋、備え付けの机とベッドだけ。
バッグを開け、財布を広げる。
手元に残った現金は――三万を切っていた。
家を出る時は「なんとかなる」と思っていた。
だが数字は、言い訳を聞かない。
冷酷に、残り時間を削っていく。
求人票をスクロールする指が止まるたび、脳内で計算が走る。
スーパー時給1100…深夜で1300円…。
(学費と渡航費を合計すれば、1000万)
ページをめくるごとに、現実の壁は高くなる。
「このペースじゃ、仕事しても稼げない」
沈黙。
喉の奥で小さな音が鳴った。
「いや――【まともな仕事】では、稼げない」
そう結論づけた瞬間、背中を冷たい汗が流れた。