魔法少女と従者の婚礼の儀!?大魔法使いの壮大な勘違い!
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙な出来事が舞い込んでくるのだった。
マイハーマ村は山々に囲まれた静かな村でありながら、魔道の頂きを目指す者たちが集う場所として知られていた。
この村を治めているのは、「大魔法使い五芒星」の一人として世界最高峰の大魔法使いと称され、さらにグリンディアの祖母でもあるピピン
彼女の元に教えを請いに来る者たちの尽きることはなく、村は常に活気に満ちていた。
そんな村を訪れたグリンディアとオズワルド。二人の目的は、最近身の回りに起きた怪異について相談するためだった。
屋敷の玄関を開けると、懐かしい香りが二人を包み込む。
「ピピンお祖母様!ただいま!」
グリンディアが勢いよく玄関を開けると、居間の奥から、威厳を漂わせるピピンが現れる。彼女は以前誤って若返りの薬を飲んでしまった結果、髪が緑色な以外は見た目はほぼグリンディアと同じである。
「お久しぶりです、ピピン様。」
オズワルドが恭しく頭を下げると、ピピンは彼を見据え、満足そうに頷いた。
彼女の目は一瞬で二人を見極めたようだった。
「うむ……遂にこの時がきたか……」
グリンディアとオズワルドは目を見合わせる。何か重大なことを示唆するような言葉に、緊張が走った。
グリンディアは訝しげな表情を浮かべながらも話を続ける。
「お祖母様、実は相談があって――」
「うむ、わかっておる。儀式を始めるぞ。」
ピピンがさえぎるようにそう言い放った。
「えっ、儀式?」
突然の展開に戸惑うグリンディア。一方でオズワルドは感心したように呟く。
「さすがピピン様、状況をすべて把握しておられるんですね……」
オズワルドが感嘆の声を漏らすと、ピピンはにんまりと笑った。
「まずは二人とも着替えてもらおうかの。皆の者、頼んだぞ」
ピピンの指示に応じて村人たちが集まり、二人をそれぞれの部屋に連れて行った。
グリンディアが村の女性たちに手伝われながら、花柄の美しい衣装に袖を通していると、一人の女性が笑顔で近づいてきた。
「グリンディア様♪ お久しぶりですわ。私もお手伝いいたします♪」
「ケスミー! 久しぶりじゃな!」
お世話係のケスミーとの再会にグリンディアの顔がほころぶ。
一方、オズワルドも村人たちに促され、整った衣装を身にまとった。見慣れない服装に落ち着かない様子で部屋を出ると、そこに現れたのは花のように輝くグリンディアだった。
「どう? いきなり着替えさせられたんだけど…」
グリンディアが頬を染めながら尋ねる。
「はい……とてもお綺麗です……」
オズワルドは素直な言葉を絞り出し、その瞳に映る彼女の姿に見惚れていた。
「そっか…ありがとう♪ オズも素敵だよ…♪」
グリンディアが照れ隠しに笑いかける。
二人のやりとりを見ていたケスミーが声をかける。
「お二人とも、広場に向かいますわよ♪」
広場には村人たちが一堂に会し、宴の準備が整えられていた。中央にはふんだんに飾られた席が用意され、ピピンがその横で二人を待っている。
「お主たち、こっちじゃ」
促されるままに、グリンディアとオズワルドは中央の席へと座らされる。
「さて、皆の者。急な準備をありがとうのう。ではこれより、グリンディアとオズワルド君の婚礼の儀式を執り行いたいと思う」
ピピンの宣言に、村人たちが一斉に拍手し始めた。
「えええええええ!?」
オズワルドは椅子から転げ落ちそうになり、グリンディアも目を見開いて叫んだ。
「グリンディア様……おめでとうございます……♪幼少の頃からグリンディア様を見守ってきた私は本当に感動しております……!」
ケスミーが目を潤ませて祝福する。
「えっと、えっと……今日は…結婚の話できたわけじゃないわーーー!」
グリンディアが立ち上がって叫ぶと、ピピンは肩をすくめた。
「なんじゃ、違うのか。すまんのう、皆の者。ワシの勘違いじゃ」
「なんだピピン様の勘違いか。撤収だな。」「撤収!」
村人たちは手際よく広場の飾りつけを片付け始めた。
「ちょっと待って! ご馳走は食べたい!」
グリンディアの訴えで、そのまま宴が続くことになった。
宴が終わり、ピピンの家に移動した一同。
ピピンは椅子に腰掛けながら二人を見る。
「さて、それで今日は何の相談じゃ?」
グリンディアは真剣な表情で語り出した。
「実は……最近、私たちの周りでとんでもない怪異が続いていて……」
彼女は先日襲われかけた魔物のこと、巨大な黒い手の魔物との遭遇について詳しく説明した。
ピピンは静かに聞きながら頷く。
「……遂にこの時が来たか……」
オズワルドは苦笑しながら内心でつぶやいた。
(最初と同じ展開だけど…本当に大丈夫だろうか?)
「その魔物たちには心当たりがある。話せば長くなるがのう……その前に、グリンディアの強大な魔力パワーの秘密を今こそ明かさねばなるまい。」
ピピンの重々しい言葉に、二人は身を乗り出した。果たしてその秘密とは何なのか――物語はさらなる展開を迎えようとしていた。




