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狙われる魔法少女!?操られた意志と魔物の謎!

あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙な出来事が舞い込んでくるのだった。


挿絵(By みてみん)




イグニスはグリンディアの回復魔法によって意識を取り戻したが、目を開けるや否や挙動不審な態度を見せ始めた。その顔は青ざめ、目の焦点は定まらず、彼自身の中で何か大きな葛藤が渦巻いているようだった。


「ううう…ひっ…ひっ…許してく…れ…ウゲエエッ!」

彼はそう言うと、突如として嘔吐した。


オズワルドは反射的に駆け寄り、背中をさすりながら声をかけた。

「だ…大丈夫ですか…?」


イグニスは咳き込みながら、荒い息を整えた。

「ゲッホ、ゲホ…す…すまない…僕は…おかしくなっていたんだ…。自分でも何が何だか…。」


グリンディアが鋭い眼差しを向け、問いかける。

「お主を操っていた魔物は一体なんだったんじゃ…?」


イグニスは口を開こうとしたが、一瞬躊躇した。やがて、声を絞り出すように言葉をつむいだ。

「わからない…いきなり近づいてきて…気がついたら身体も思考も乗っ取られていた…」


「そんなことが…?」

オズワルドは眉をひそめながらつぶやいた。


グリンディアは冷静な眼差しでイグニスを見つめた。

「嘘ではなさそうじゃな…だがあの魔物について少しでも手掛かりはないのか?」


「乗っ取られていたときの記憶は、ほとんど何も覚えていない…。」


イグニスは言葉を詰まらせたが続ける。

「ただ、一つだけ強烈に覚えている言葉がある…それは、『あのお方の前にグリンディアを連れて行かなければならない』…と。」


グリンディアの表情が険しくなる。

「“あのお方”とは…誰のことじゃ?」


「それが…全くわからないんだ。」イグニスは弱々しく首を振る。


オズワルドが呟くように言葉を漏らす。

「い…一体何が起こっているんだろう…?」



「な…なんでこんな事に…」

イグニスは震えながら顔を覆い、その声は次第に震え、ついには彼は泣き出してしまった。


「僕は…最初は魔法を極めたいだけだったんだ…有能な魔法使いになりたかった…だが気がつけば、魔法学園でトップに立つことだけを考えていた…そして遂にはあんな魔物までおびき寄せてしまうなんて…」


咽びながら話すイグニスを見かねて、グリンディアはため息をつき、静かに言った。

「よし…お主にぴったりな場所をワシが紹介してやろう。」


「…え?」

イグニスは涙を浮かべたまま、ぽかんとした顔でグリンディアを見つめた。




グリンディアの回復魔法を受けた後、イグニスは力なく帰路についた。その背中はどこか小さく見え、彼が背負う後悔と苦悩の重さが伝わってくるようだった。


イグニスを見送った後、オズワルドは思案顔で口を開いた。

「グリンディア様。さっきの魔物ですが…」


「ん?なんじゃ?」

グリンディアが鋭く返す。


オズワルドは小さくうなずき、言葉をつづけた。

「さっきの魔物ですが、似たようなものを見たことが一度あると思います…この川原でグリンディア様とはじめて出会った時に見た…」


「あ…あの黒い巨大な手か…確かに似てるかもしれん…」

グリンディアの目に不安がよぎる。


二人は一瞬、沈黙した。あの不気味な光景が脳裏に浮かび、思わず身震いする。


グリンディアはつぶやくように続けた。

「さっきの魔物はあの黒い巨大な手と関わる何かなのか…?わからんな…こういう時はお祖母様に相談じゃな」


「ピピン様ですね?名案です。」

オズワルドは力強く答えた。


「よし!明日二人でお祖母様の元に行くぞ!」

「僕もですね…?は…はい!」




その夜二人は家に戻り、いつも通り家族と団らんした後、夜半を迎えた。

ベッドに入ったオズワルドは、天井を見上げながら一人思案していた。


(イグニスさんに取り憑いた魔物…そして僕に一時的だったけど身についた魔力パワー…なんだったのかなあ…)


そんなとき、扉をノックする音が聞こえた。

コンコン


「オズ…ワシなんだか…怖くて寝れなくて…今日は一緒に寝よ…?」

扉の向こうから聞こえたのは、グリンディアの声だった。


「えっ…?」

驚いたオズワルドは思わず起き上がった。


「駄目…?」

グリンディアが少し控えめに尋ねる。


「駄目では…ないですけど…」

戸惑いながら答えるオズワルド。


すると、グリンディアは何事もなかったように彼の布団に入ってきた。その自然体に対し、オズワルドは逆に落ち着かない。


(ううう…グリンディア様の髪の良い香りが…)


緊張で体をこわばらせていると、グリンディアが問いかけた。

「どうしたのじゃ…?」


「いえ…なんでも…」

言葉を濁しながらも、彼の心臓はどんどん早鐘を打っていた。


こうして、長い夜が始まった。

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