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静寂を破る者!学園四天王イグニス現る!

挿絵(By みてみん)



鮮やかな魔法の光が飛び交い、魔法学園ギョウダァは活気に溢れていた。年に一度開催される「魔導競技祭」は、全生徒が参加する一大イベントだ。学園の中庭には観客席が設けられ、興奮した歓声が空に響いている。魔法の矢が飛び交い、雷の閃光が輝く競技の数々に、観客たちは熱狂していた。


その中心に、二人の異彩を放つ人物がいた。一人は学園で“最弱魔法使い”と呼ばれるオズワルド。そして彼の主人であり、最強と称される魔法少女――グリンディアだ。


「グリンディア様…! いくらなんでも無理ですよーーー…!」

オズワルドが引きつった顔で叫ぶ。


「ふふふ♪ ワシは負けんぞ♪」

グリンディアは自信満々の笑みを浮かべ、胸を張る。



魔導競技祭では様々な競技が行われるが、圧倒的な魔力を持つグリンディアはその力が反則扱いされ、公式競技への参加が難しかった。


だが、グリンディアの「力を試したい」という願いを学園側が特別に認め、1年生全員vsグリンディア&オズワルドという形で、魔法による引っ張りのイリミネーションマッチが行われることになった。



両陣営が魔法を駆使して引っ張り合う中、グリンディアの額には汗が浮かび始める。


「うぐぐ…これは厳しいかも…」


小柄な体で耐える彼女に、オズワルドは焦りの声をあげた。

「グリンディア様…もう降参しましょう…!」


だが、グリンディアはニヤリと笑うと、小さな声でつぶやいた。

「なんちゃって♪うりゃーーーー!」


彼女が気合を込めて魔力を放つと、1年生たちはなす術もなく引き寄せられ、規定の線を超えてしまう。観客席が歓声と驚きの声で包まれる中、グリンディアは拳を突き上げた。


「ははは! 勝ったー!」


呆然と立ち尽くす1年生たちの中で、友人のフレアが苦笑する。

「グリンディアちゃん…相変わらず凄すぎだな…」





競技が終わり、夕暮れの学園を背にオズワルドはいつものようにグリンディアを背負って家路についた。

「いやーー勝った勝った♪ 楽しかったー♪」

ご満悦な彼女の声が、静かな道に響く。


「ははは♪ グリンディア様、本当にお見事でしたね♪ 」


「うむ! 頑張ったらお腹が空いちゃった♪ また美味しいお菓子作って欲しいな♪」」


「もちろんです♪ ちゃんと考えてますから。」


「ありがとー♪ 楽しみじゃ♪」



二人が川原に差し掛かったその時、不意に低い声が彼らにかけられた。

「待ちわびたよ。久しぶりだなあ、グリンディアさん。」


振り向いた二人の前には、一人の男性が立っていた。整った顔立ちに冷笑を浮かべたその男――イグニスだった。


「アナタは…イグニスさん…? どうしてここに…?」


驚きの声を上げるオズワルドを横目に、グリンディアは鋭い目で男を睨む。

「なんじゃ、ワシにまた挑戦でもしにきたのか?」


「挑戦…ちょっと違うなあ。」


イグニスは肩をすくめ、冷たく笑った。

「君を連れにきたんだよ。」


「お主…何を言っておるんじゃ!」


グリンディアはその場で魔力を練り、睡眠魔法を放った。だが、イグニスは手を軽く振るだけでそれを弾き飛ばした。


「な…なに…?」


「君の反応は予想通りだ。」


イグニスの笑みは深まり、彼の体から禍々しい魔力が漏れ出す。


グリンディアは不快感と同時に警戒心を募らせた。

(コイツの魔力…普通の人間じゃない!?)


状況を理解できないオズワルドが声を上げた。

「イグニスさん…一体何なんですか…? 勝負したいなら、正々堂々と学園で魔法力勝負を申し込むべきです!」


その言葉にイグニスは嘲るように笑った。

「お前は黙っててもらえるかな? ハッ!」


突然、巨大なファイヤーボールがオズワルド目掛けて放たれる。オズワルドは悲鳴を上げる暇もなくそれを受け、地面に倒れ込んだ。


「ぐっふ…」


「きさま! 一体何をするんじゃ!」

怒りを露わにするグリンディアに、イグニスはただ不敵に笑うだけだった。


グリンディアはオズワルドの元に駆け寄り、慌てて回復魔法を施す。

「オズ…すぐ治してやるからな…ヒール」

魔法の光が傷を癒やすが、オズワルドは意識を失ったままだった。


イグニスは再び攻撃の構えを見せる。

「もう一回いくかな♪」


だが、グリンディアは迫るファイヤーボールを手で弾き飛ばす。しかし、胸中にはさらなる疑念が渦巻いていた。

(前よりも魔力が圧倒的に上がっている…!?)


グリンディアは冷静を装い、低く唸るように言葉を絞り出す。


「修行でもしたのか知らんが…以前より力を増しておるな。だがワシに勝てると思うなよ!?」

グリンディアは怒りの形相で口を開いた。


イグニスはそんなグリンディアを前にしても、余裕を崩さない。むしろ、楽しげに口角を上げてみせた。

「確かに、まともに戦ったらお前には敵わない。だが戦い方次第ではどうにでもなるもんだ。」




グリンディアは不穏な気配を肌で感じ取っていた。その闘いが日常を大きく揺るがすものであることを予感しながら――。

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