最弱な僕だけど最強魔法少女に恋をしました。
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
暗がりの中、オズワルドは小さなランプの明かりの下で横たわり、天井を見つめていた。
心の中で渦巻く感情が整理できないまま、彼はぽつりと呟いた。
「言われてみると…グリンディア様と一緒にいるとすごく楽しい…一緒にいれば大嫌いだった学校さえも楽しい…」
その声は誰にも聞こえないほど小さかったが、自分に問いかけるには十分だった。
「可愛いって思うし…守ってあげたいって思うし…」
そして、心の奥底で沸き上がる感情にようやく名前をつける。
「…ああ、僕、グリンディア様に恋してるんだ…これが恋だったんだ…」
オズワルドの心臓が早鐘のように鳴る。その事実を受け入れるのは、自分が「最弱の魔法使い」と呼ばれる立場であることを思うと、少し怖かった。
太陽が街を暖かく照らし、爽やかな風が頬を撫でる朝。
オズワルドとグリンディアはいつものように登校準備をしていたが、オズワルドの胸中は昨日とはまるで違う色彩に満ちていた。
「オズー!おはよう♪」
グリンディアがいつものように元気よく挨拶する。
その笑顔はまるで朝の光そのもので、オズワルドの心を包み込むようだった。
「おはようございます。」
オズワルドは少しぎこちなく応じる。
グリンディアは彼の顔を覗き込み、にやりと笑った。
「なんじゃ妙な表情して!気持ち悪いぞー。」
「い、いえ、別に…!」
慌てて目を逸らすオズワルド。顔がほんのり赤く染まっている。
「うふふ…変なのー!」
グリンディアは悪戯っぽく笑いながら彼の袖を引っ張る。
「さあ、早く行こう!」
「はい!」
オズワルドは元気よく返事をしながら、彼女の後を追う。
魔法学校の授業が始まっても、オズワルドの視線はついグリンディアに向かってしまう。
窓から差し込む光が、彼女の髪を美しく照らしている。
(僕なんかじゃ、グリンディア様には不釣り合いなのかな…。でも…)
彼の心には切なさが宿る。それでも、その想いは確かな幸せに満ちていた。
(彼女のためならきっと何だってできる。美味しいお菓子を作って、彼女が喜ぶ場所を探して…。彼女が欲しいものなら、バイトをしてでも手に入れるよ…。)
胸に湧き上がる想いは次第に彼の決意となり、心の中に秘められた情熱は一層深まっていった。
放課後、グリンディアがオズワルドの手を引っ張る。
「オズ♪帰ろう!」
「はい、グリンディア様♪」
「今日はどんなお菓子を作ってくれるの?」
彼女の期待に満ちた瞳に、オズワルドは微笑む。
「今日は…チェリーパイにしようと思います♪」
「チェリーパイ!やったー!楽しみじゃ♪」
グリンディアは嬉しそうにスキップする。
(僕はこの想いをまだ伝える勇気がない。でも、もっともっと自分を磨いて、いつか必ず…)
オズワルドは心の中でそう決意しながら、グリンディアを背負い歩き続けた。
「さあ、早く帰ってチェリーパイを一緒に食べよう♪」
「はい♪」
その声には、これから先への希望がしっかりと宿っていた。
とある酒場。
暗がりの中で一人の男が荒れていた。イグニス――かつて魔法学園ギョウダァで四天王のリーダーと呼ばれていた男だ。
「くっそ…あいつのせいで…俺の誇りが…全てが…!」
グリンディアに敗北してからというもの、彼は酒に溺れ、荒んだ毎日を送っていた。
そこに現れた黒いローブを着た一人の男が、イグニスに近づく。
「お前がイグニスだな?」
「誰だ…お前は…?」
「復讐したくないか?俺が力を貸してやる。」
「復讐だと…?」
その男は不気味な笑みを浮かべると、イグニスの体に触れる。
「お前の力と身体を借りるぜ…。」
「や、やめろ!な…何をする――ぐあああああ!」
イグニスの叫びが酒場に響き渡る。暗雲が垂れ込め、新たな波乱の幕開けを予感させた。
物語は、新たな局面を迎える――。
次回:新章「闇夜の支配者編」に突入!




