魔法で恋をプロデュース!?最強魔法少女の恋愛指南!
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
夕日に染まる教室で、グリンディアは自信満々の笑みを浮かべて言った。
「女の子は守ってくれる男性になびくのじゃ♪ だから、不良に絡まれているリシア姉ちゃんをレオンが助ければ、姉ちゃんの視線も変わるってもんじゃ!」
オズワルドは困惑気味に眉を下げながら口を挟む。
「な…なんかどこかで聞いたような話ですね…」
グリンディアは最近読んだ恋愛小説の内容を引き合いに出していたのだ。
「なるほどなぁ…」とレオンは納得するように頷いたが、すぐに首を傾げる。
「でもさ、そんな都合よくリシアが絡まれたりするか?」
その問いに、グリンディアはにやりと笑った。
「そんなもん、こちらで用意するんじゃ。」
オズワルドが驚いて声を上げる。
「ええー!? 僕は無理ですよ!? 変装したところですぐバレるに決まってますし…」
グリンディアはオズワルドの言葉を軽く流し、胸を張った。
「大丈夫。ワシに任せておけ♪」
その頃、校内の別の場所ではエイリックとロザリンが歩いていた。エイリックがロザリンの手を引いて楽しそうに話しているその様子を、遠くから男子生徒たちが目撃していた。
「ロザリンちゃん!そ、その男は誰だ!?」
「あら、まずいわね。ファンクラブの連中に見つかっちゃった…」
ロザリンは一瞬眉をひそめたが、すぐにいつもの涼しげな笑みを浮かべた。彼女は学校の一部の男子たちに絶大な人気があり、その人気を利用してグッズを販売したり、豪華な食事をご馳走になったりしていたのだ。
「ロザリンちゃん! これはどういうことだ!?」
「うふふ、なんでもないわよ♪」
エイリックが軽く首をかしげる。
「ロザリンさん、この方たち、お友達ですか?」
「私の…追っかけよ。」
「へぇ~。…あの~、これから二人でデートなんで、通してもらえますか?」
「な、なんだと!? お前が無理やりロザリンちゃんを連れ回してるんだろう!?」
男子生徒たち五人が怒りに駆られ、エイリックに向かって飛びかかった。
「も~…面倒くさいなぁ。」
エイリックは小さくため息をつくと、すかさず魔法を発動した。二人の周囲に張られた結界が男子生徒たちを弾き飛ばす。
「ぐああっ!」「うわっ…!」
「さあ♪ ロザリンさん、行きましょうか♪」
エイリックの予想以上の迫力に、ロザリンは目を見張った。
「アナタ…リョート様の孫だけあってやるわね。」
「ん~、よく言われるけど、僕のほうが絶対おじいちゃんより才能ありますよ♪」
(コイツ…過剰な自信も才能もたいしたもんだわ…)
「アンタ…気に入ったわ。」
「へっ?」
一方その頃、オズワルド達はリシアが修行している学校裏手の小さな広場へ移動していた。
「不良はワシが分身魔法で作るから任せろ!」
グリンディアは堂々と宣言すると魔法を念じはじめた。すると、彼女自身にそっくりな分身が五体現れ、次の瞬間、不良らしい見た目に変身していく。
レオンはその様子を目の当たりにして、呆然と口を開けた。
「なぁ…グリンディアって、なんでこんな凄い事が出来るんだ? 」
オズワルドは肩をすくめ、苦笑する。
「ははは…僕はもう慣れてますんで。」
分身体を引き連れ、三人はリシアが通りそうな小道で待機する。やがて、リシアの姿が見えてきた。
「お!リシア 姉ちゃん来た! 分身体たちー! いけーーー!」
グリンディアの掛け声とともに、魔法で作られた不良たちがリシアに向かっていった。
「よー、姉ちゃん可愛いな。遊んでくれよ。」
分身体の一人がにやけた表情で近寄る。
リシアは冷静な目で不良たちを一瞥し、鋭く言い放つ。
「何? あなたたちは? これから修行があるの。構ってる暇なんてないわ。」
「そう言わずにさぁ。」
不良たちはしつこく絡もうとするが、リシアは微動だにしない。
それを見て、グリンディアは声を潜めて指示を出す。
「いまじゃ! レオンが助けに行くのじゃ!」
レオンは息を呑み、意を決して立ち上がった。
「お…おお!」
だが次の瞬間、リシアが冷たく宣言した。
「マジックチェーン!」
その言葉とともに魔法が発動。不良たちは一瞬で鎖に縛られ、霧のように消え去った。
「しまった…! 姉ちゃんは強かったんじゃ…これは作戦の練り直しじゃ。」
グリンディアが肩を落とすと、リシアはため息をつきながら近づいてくる。
「グリンディア。レオン。そこにいるんでしょ? これは何?」
慌てたグリンディアが小声で呟く。
「しまった…バレてる…」
リシアは目を細めて三人を睨む。
「何やってるの、あんたたち…!?」
グリンディアが口ごもる中、リシアの視線はレオンに向けられた。
「グリンディアはまだしも…レオン…あなたはもっと真剣な男だと思ってたのに。見損なったわ。」
それに対してレオンは、息を大きく吸い込むと、真剣な表情で叫んだ。
「俺は…いつだって真剣だよ!」
「なに?」と驚くリシアに、レオンは顔を赤くしながら続ける。
「俺は…好きなんだよ! 俺はリシアのことが…好きなんだ!」
リシアの顔が一瞬で赤く染まる。
「な…何を言ってるのよ…?」
レオンは拳を握りしめ、力強く言い切った。
「決めた! リシアの修行に、俺はずっとついていくぞ。俺が真剣だって証明してみせる!」
リシアはしばし沈黙した後、わざとそっぽを向きながら言った。
「…じゃあもっともっとキツい修行するけど…覚悟しておきなさいよ!証明してみせさない!」
凸凹ながらも不思議と相性の良い4人だった。
その日の帰り道。オズワルドはいつものようにグリンディアを背負っていた。
グリンディアは心地よさそうに背中で半分眠っている。
「あの二人うまくいくといいですね♪」
オズワルドが微笑むと、グリンディアがぽつりと呟く。
「なんか…二人のこれからのイメージが湧いたな…zzz」
「本当にそうですね♪」オズワルドが相槌を打つと、グリンディアは眠たげに言葉を続けた。
「オズ…なんだか嬉しそうじゃな…zzz」
「そうですか? なんだかあのお二人って…僕とグリンディア様みたいだなって思って。」
その言葉に、グリンディアは目を閉じたまま呟いた。
「それは…オズがワシに恋してるからじゃ…zzz」
「えっ…???」
オズワルドは赤面し、混乱しながら歩き続ける。少し後ろ振り向き眠るグリンディアの穏やかな顔を見て、胸が高鳴るのを感じた。
(そうか…そうだったのか…! これが…この気持ちが…恋…?)
そして…ここにも凸凹ながらも不思議と相性の良い2人がいた。
次回:遂に自分の気持に気がついたオズワルド。2人の関係はどう変化していくのか?




