リシアに届け!学園四天王レオンの恋心!そして珍入者!?
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
ギョウダァ魔法学園の朝は、いつも活気に満ちている。生徒たちは門をくぐり、談笑しながらそれぞれの教室へ向かう。校門のそばには元学園四天王の一人のレオンが歩いていた。
しかし、彼が門を通ろうとした瞬間、明るい声が響いた。
「いたいた!レオンさん!」
振り返ると、金髪で少し小柄な青年が笑顔で手を振っていた。その声の主は、魔法学園フーナバの生徒であり、校長リュートの孫のエイリックだった。
「エイリック?どうしてここに?」とレオンが戸惑いながら尋ねると、エイリックは無邪気に笑った。
「今日は研修でギョウダァに来てるんです♪対抗戦以来ですよね?」
「そ、そうだな…」レオンは少し気まずそうに相槌を打った。
だが、エイリックは気にする様子もなく、突然こう言い出した。
「そんな訳でギョウダァの女の子をどなたか紹介してください♪」
「へっ?」レオンは思わず立ち止まった。
「お願いしますよ♪対抗戦で競い合った仲じゃないですか♪」
「いや、いきなりそんなこと言われてもな…」
エイリックは諦める様子もなく笑顔で食い下がる。
「それなら…やはりリシアお姉様に突撃してみるしかないかなあ…」
レオンはその名前を聞いてギクリとした。
(うっ…コイツにリシアに付きまとわれても困るなあ…)
結局、彼は観念してこう言った。
「よし、わかった。1人アテがある。ついてこい。」
「やったー!ありがとうございます!」
二人が向かった先は二年生の教室だった。中で談笑していた生徒たちが、突然入ってきたレオンとエイリックに驚いて一瞬静まり返る。
「で…これはいきなり何?」教室の隅で本を読んでいた小柄な少女が顔を上げて尋ねた。
彼女は小柄で可愛い顔立ちでピンク色の髪が印象的だった。
元学園四天王の一人、ロザリンだ。
「わーーー!可愛い方ですねー!」
エイリックが目を輝かせながら叫ぶと、ロザリンは片眉を上げた。
「可愛いなんて言われなくても知ってるわ。で、レオン。この子は何?」
「こいつはエイリック。フーナバの生徒で、友達を紹介して欲しいって頼まれてさ。」
エイリックは深々と頭を下げた。
「フーナバ1年のエイリックです♪よろしくお願いします!」
「年下かあ。ふ~ん…まあ、見た目は可愛いわね。」
ロザリンはエイリックを値踏みするように見つめた。
「本当ですか!?友達になってくれます?」
レオンは話の流れを補足するように口を開いた。
「ちなみにエイリックはフーナバ校長リュート様の孫なんだ。」
ロザリンの目が輝いた。
「えっ…?大魔法使いリュート様の孫?」
「そうなんです♪」
エイリックが胸を張ると、ロザリンは瞬時に悪巧みを始めた。
(つまり、この子がいずれフーナバのトップになる…?悪くないわ…仲良くなって上手くやれば、私がフーナバを牛耳れるかも…)
ロザリンは微笑みながら言った。
「良いわ♪仲良くしてあげる♪」
「わぁ!ありがとうございます♪」エイリックは心底嬉しそうだった。
ロザリンはすぐに次の要求を口にした。
「じゃあ、後で美味しい物が食べられるお店でも連れて行ってよね。もちろんアナタのおごりで♪」
「えっ、それってデートですか?楽しみだなあ!」
そのやり取りを聞いていたレオンは感じていた。
(エイリックは積極的だなあ…う~ん…)
放課後の校舎、レオンは足早に一年生の教室に向かっていた。
ドアを開けると、教室には数人の生徒が残っていたが、レオンの目当ては窓際でノートに何かを書き込んでいるオズワルドだった。
「よーーー!」
勢いよく声をかけるレオン。
「レオンさん!?どうしてここに?」
オズワルドは驚きつつも席を立った。
「ちょっと相談があってな。いいか?」
「僕に相談?もしかして、お菓子作りについてですか?」
レオンは顔を真っ赤にしながら即座に否定した。
「ちっ、違う!そんなんじゃねえよ!ちょっと二人きりで話したいんだ、こっち来い!」
教室の隅、人がいない場所へ移動する二人。レオンは腕を組みながらやや気まずそうに口を開いた。
「リシアのことなんだが……グリンディアから何か聞いてないか?趣味とか好きなものとか。」
「リシアさんの趣味ですか?あんまり聞いたことないですね……」
「な……何か情報はないのか?好きな食べ物でもいいし…」
「すいません…僕はとくに聞いてないです。」
レオンは困惑するオズワルドをじっと見つめたあと、頭を抱え込んだ。
「そうか…わからないか…」
「レオンさん、何をそんなに焦って……」
その瞬間、オズワルドの肩の上から声が飛んできた。
「話はわかったぞ」
突然現れた声に、レオンは驚いて後ずさった。オズワルドの肩に、小さな姿のグリンディアがちょこんと座っているではないか。
「なんだこのちっこいの!」
「グリンディア様!?いつの間に僕の肩に……!?」
グリンディアは得意げに笑った。
「どんな話をするかと思って、オズの肩にワシのミニ分身体を魔法で忍ばせておいたのじゃ」
「なんだその聞いたこともないような魔法…相変わらずめちゃくちゃだな…」
レオンは呆れたようにため息をついた。
その後、三人はオズワルドが所属するスイーツ部の教室へ移動。
オズワルドが手際よくクッキーとお茶を用意し、和やかな雰囲気の中で話が続く。
グリンディアは一口クッキーを頬張りながら言った。
「つまり、お主はリシア姉ちゃんに恋してるんじゃな?」
「はっきり言うなよ!」レオンが顔を真っ赤にして声を上げる。
「気持ちは分からんでもないが、姉ちゃんと付き合うのは無理じゃろー」
グリンディアが冷静に指摘する。
「な、なんでだよ!」レオンは身を乗り出した。
「姉ちゃんは美人で天才、優しいし頭も良い。そして今後は魔法の研究で大きな成果を上げるじゃろうから…」
「だよなぁ…俺なんかじゃ…」レオンは項垂れる。
「ちょ、ちょっと!グリンディア様、レオンさんだってこの魔法学園の四天王と呼ばれる凄い人ですよ!」オズワルドがフォローを入れると、レオンは少し元気を取り戻す。
「そ、そうだよな!」
「でも無理じゃろ。」グリンディアはあっさり言った。
「まず、姉ちゃんと魔法試合をして勝てるか?姉ちゃんは自分より弱い奴は認めん性格じゃぞ。」
「それは…リシアに勝てる気がしない…」
レオンは唸った。
グリンディアは思案顔で言った。
「それにね。付き合うのがゴールじゃなくて、そこからがスタートなんじゃ。」
レオンはその言葉に思わず聞き返す。「スタート?」
「そうじゃ。正直2人のこの先のイメージがわかないもの。リシア姉ちゃんは読書と美術鑑賞、魔法研究が趣味。お主の趣味はどうせ筋トレかマホトレじゃろ?」
(グリンディアは最近、恋愛本や恋愛小説を色々と読んで恋愛について勉強していた。)
「ううう…」レオンは黙り込む。
「まあいい。ここはワシが秘策を考えてやる!」とグリンディアはニヤリと笑う。
「た…頼むよ、グリンディア!」レオンは感謝しつつ頭を下げる。
オズワルドは苦笑いを浮かべながら呟いた。
「またこのパターンか…」
次回、グリンディアの秘策とは?そしてレオンの想いはリシアに届くのか!?
一方その頃、別の場所ではエイリックとロザリンが並んで歩いていた。
「ちょっと!なんでいきなり手を繋ぐのよ…!?」ロザリンが赤面して抗議する。
エイリックはきょとんとしながら答えた。
「えっ…デートってそういうものだと思ってました。僕デートって初めでて良くわかってないのかも♪」
(こいつ…意外とグイグイくる奴ね…)ロザリンは心の中で呟いた。
こっちもこっちで何か進んでいた。




