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分身禁止!?甘い魔法の攻防戦!チョコレートは誰の為に?

あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。


挿絵(By みてみん)



今日はこの地方に伝わる祝祭、「スイートマギアの日」。

この日は愛や感謝を込めたチョコレートや甘いものを、女性が大切な人に贈る特別な日だ。


魔法学校ギョウダァの教室も例外ではなく、チョコレートを巡る歓声と笑い声で賑わっていた。女子たちが男子に手作りのチョコを渡し、男子たちは嬉しそうに受け取る。


その一方で、貰える見込みもない青年、オズワルドは憂鬱そうに窓の外を眺めていた。


(はぁ、スイートマギアかぁ…。みんな楽しそうですね。でも魔力値が低いと蔑まれる僕には関係ないお祭りですけどね…。)


(僕にチョコをくれる可能性がある人といえば――)

彼は心の中でため息をつき、隣の席のグリンディアに目を向ける。


「いいなー♪わしも チョコ食べたい!」

楽しげに笑うグリンディアに、オズワルドは苦笑いを浮かべた。

(こりゃ…無理そうだなあ…)




その時、教壇に立つクラス委員長のエルフィールが手を叩き、騒がしい教室を鎮めた。

「スイートマギアだからって浮かれすぎないで! みんな、少し静かにして!」


彼女はため息混じりに続けた。

「父の貿易の取引先から大量にチョコレートをもらったの。食べきれないからクラスのみんなに配るわよ。 欲しい人は並んで。」


「やったー! 流石委員長!」「やったー♪」

男子たちの歓声が響く。


「ワシももらうー!」

グリンディアは勢いよく席を立ち、列の先頭に向かう。オズワルドはその光景を眺めながら苦笑いを浮かべた。


「こほん…クラス全員分ありますから落ち着いて。」

とエルフィールが注意を促す一方で、彼女は内心こう思っていた。


(オズワルドはどうせ誰からもチョコを貰えないんでしょうし…いつも雑務を手伝ってくれてるお礼に特別なチョコを渡してあげようかしら…。)


だが、チョコを求める列ができても、オズワルドは一向に動かなかった。

(僕が貰いに行っても、どうせエルフィールに気を使わせるだけだろうしなあ…)


グリンディアが怪訝そうに振り返る。

「オズは、チョコレートを貰わんの?」


「いえ、僕は…遠慮しておきます。なんかお腹の調子が悪くて…ははは。」


「えー!? なら貰ってきてワシに頂戴よ!」


「そ、そこまでチョコが欲しいんですか…!?」


呆れるオズワルドの目の前で、グリンディアは突如立ち上がると魔法を念じだした。

「分身魔法!」

すると彼女の姿が五人に分裂し、それぞれが列に並ぶ。


だが、すぐさまエルフィールの声が飛ぶ。

「分身してもダメ! 一人一個までです!」


「むぅっ…」不満げなグリンディアだったが、すぐに悪巧みの笑みを浮かべる。


「分身魔法!からの更に変身魔法!」

懲りないグリンディアはさらに魔法を重ね、分身たちを別人に変身させた。教室は再びざわめく。


「なにこれ…知らない人が増えてるわ…」と異変に気づくエルフィール。


グリンディアの分身体たちは口々にチョコを要求する。

「チョコをくれ」「チョコをください」「チョコちょうだいー!」


「もう! あふれんばかりの才能をしょーもないことに使うのやめなさい…!」

エルフィールが怒鳴りつけるも、グリンディアは舌を出して笑うだけだった。



その頃、三年生の教室では、リシアがチョコを手渡していた。

「はい。チョコレート。」


レオンは驚きながら受け取る。

「えっ…俺に? 本当に…?」


「だって今日は女性が男性にチョコをあげる日なんでしょ?」とリシアはさらりと言った。


「あ…ありがとう…!」

「手作りだからね。ありがたく食べなさいよ。」


レオンはリシアから手渡されたチョコを、目を輝かせながら大切そうに見つめていた。その瞬間、彼の心の中に新たな感情がはっきりと芽生えた。



放課後、オズワルドとグリンディアは並んで帰路についていた。

「ちぇー、結局チョコは一個しか貰えんかった。」

「ははは…代わりに家に戻ったらチョコケーキでも焼いてあげますよ。」

「本当に? 楽しみ♪」


その時、グリンディアは鞄から包みを取り出す。

「あっそうだ!ねえ…オズ…あのねスイートマギアの事を聞いて…お母様に習ってワシもチョコ作ってみたの♪」

「えっ?」

「初めてだから美味しくないかもしれんけど…オズにあげる♪」


包みを受け取ったオズワルドは驚きと感動の入り混じった表情を浮かべる。

「ありがとうございます…」

「うん♪ 食べてみてよ!」


恐る恐る口に運ぶと、思わず顔がほころぶ。

「とっても…とっても美味しいです…!」

「うふふ…良かった♪ わし、魔法だけじゃなくてお菓子作りも天才じゃろ?」

「はい…」


「って、こんなことで泣くなー!」

とグリンディアは慌てて言うが、オズワルドは涙を拭いながら微笑む。


「だって…僕、こんなこと初めてで…本当に嬉しくて…」


その様子をこっそり見ていたエルフィールは、オズワルドに渡すつもりだった特別なチョコをそっと仕舞った。

(オズワルドに渡したかったけど…グリンディアさんのチョコに…絶対に敵わないわね…)



その夜、別の場所では、不敵な笑みを浮かべる男がいた。

「あ~あ…スイートマギアでも、男子校じゃ中々チョコを貰えなくてつまらないなあ…」


青年は立ち上がると不敵な笑みを浮かべる。

「よし、ギョウダァに挨拶に行ってみるか♪」


ギョウダァに近づくこの男は一体…!?

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