最強魔法少女の出番なし!?魔法と恋の攻防戦!
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
今日は特別な日だ。ギョウダァとフーナバ学園の対抗戦が行われるのだ。
魔法学園ギョウダァの魔法武道場には、すでに両校の生徒が集まり、興奮と緊張のざわめきが渦巻いていた。
魔法武道場の中央では、ギョウダァ代表のグリンディア、リシア、オズワルド、フレア、レオンの5人が、対戦相手であるフーナバ学園のエイリック率いる精鋭チームと向き合っていた。
双方の応援団が熱い声援を送る中、審判を務めるのは、例によってマシュ先生だった。
「はぁ…なんで私ばっかり審判なのよ…。せめてランチくらい奢ってもらいたいわ…」
ぶつぶつと愚痴をこぼしながらも、マシュ先生はきっちりと審判席に立っていた。
武道場の脇では、ギョウダァ学園のフィギン校長とフーナバ学園のリュート校長が談笑していた。
「フォフォフォ。リュートよ、今年は我が学園が勝たせてもらうぞ。」
「ふふふ、フィギンよ、それはどうかな。実はね…」
リュート校長は手元の紙を取り出し、以前設けた対戦ルールの一部を指差した。
「この年齢制限ルールを見てみなさい。」
「な、なにぃ!?『安全を考慮し一定年齢に満たない生徒は参加不可』だと…?」
「そうじゃ。つまり、飛び級で入学した彼女は試合に出られないということじゃ!」
フィギン校長は慌てふためきながら頭を抱える。
「し、しまったーーー!なんという盲点!」
リュート校長は得意げに笑う。
「ははは!ぬかったな、フィギン!」
フィギン校長は魔法武道場に事情を説明に現れた。
「…というわけで、残念じゃが、ルールの都合でグリンディアちゃんは対抗戦に出られんのじゃ…」
その言葉に、ギョウダァ学園のチームは騒然となった。
「ええええ!!? グリンディア様が出られないんですか!?」
と、驚きの声を上げるオズワルド。
「もーー! なんでちゃんと事前に確認しておかないんじゃ!」
と、グリンディアは頬を膨らませた。
「すまんのじゃ…」と平謝りのフィギン校長。
「勝ったらお食事券はしっかりもらうからね!」
とグリンディアが笑顔で追い打ちをかけると、校長は頭を抱えた。
フレアが冷静に状況を見つめ、
「となると、こっちのチームは一人足りねえぞ。」と指摘する。
その時、応援席で回復班として控えていたエルフィールが手を挙げた。
「…私が出るわ。」
フレアは驚いて声を荒げた。
「エルフィール!? おい、本気かよ。危険だぞ!」
「大丈夫よ。私だってトレーニングしてきたもの。それに…自分の力を試してみたいの。」
その決意に、リシアが小さく頷く。
「いいわ。あなたの覚悟を買う。ただし、負けは許されないわ。」
「はい!」エルフィールが力強く答えた。
「ふむ…」フィギン校長は顎を撫でると、深く頷いた。
「グリンディアちゃんが出られないのは痛手じゃが、エルフィールさんも優秀な生徒じゃ。なんとかなるじゃろ。」
話がまとまりかけたところに、フーナバ学園の選手の一人、エイリックがひょこっと現れた。小柄で金髪で可愛らしい見た目の彼は、キラキラとした瞳でギョウダァ学園の選手たちを見渡す。
「うひゃあ! 美人お姉様! とびっきりの美少女! 清純派美少女もいる!」
そのテンションに、グリンディアが目を丸くする。
「な、なんじゃお主…?」
エイリックはペコリと頭を下げ、
「僕はリュート校長の孫、エイリックです! よろしくお願いします!」と自己紹介を始めた。
エイリックは大興奮で続ける。
「うちは男子校だから、女の子と話すなんて滅多にないんだ! 嬉しーーー♪」
リシアが冷たい視線を送る。
「何よアナタ…。これから勝負なのよ?馴れ馴れしくしないで貰えるかしら。」
エイリックは気にせず、さらに声を張り上げた。
「じいちゃん、話してくれた? もし僕たちが勝ったら、誰か僕とデートしてくれる?」
「そ、それは…」リュート校長が言いよどむと、リシアが鋭い視線で言った。
「ふん。いいわ。あなたの学校が勝ったらデートしてあげる。私たちの中から好きな人間を選びなさい。」
「えぇぇぇ!? 勝手にそんな約束を…!」
とエルフィールが抗議する。
「わ…ワシもか?」とグリンディア。
だがリシアは自信たっぷりにこう言った。
「それくらいじゃないと張り合いがないわ。負けなきゃいいのよ。簡単でしょ?」
「やったーーー!!!どの子とデートしようかな♪」
エイリックは大興奮で喜んでいる。
その瞬間、ギョウダァの男子メンバーに火がついた。
「な・ん・だ・とーーーー??」
レオンは低い声で言う。
「なぁ、フレア、オズワルド…あのエイリックって奴、腹立つよな…絶対に勝とうぜ!」
「おう、そうだな!」フレアが拳を握りしめる。
「やりましょう!」オズワルドも力強くうなずいた。
エイリックの無邪気な笑みを背に、ギョウダァ学園の男子たちの士気は高まった。
こうして、奇妙な約束とともに、対抗戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
次回:果たしてギョウダァ学園のチームは勝利を掴めるのか?




