ギョウダア魔法学園 vsフーナバ魔法学園!宿命の対抗戦!
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
魔法界において、その名を知らぬ者はいない五人の伝説的な魔法使い。
マイハーマ村の村長ピピン、魔法学園ギョウダアの校長フィギン、魔法学園フーナバの校長リュート、魔導研究科のゼフィリア、そして森の番人ファーネルス。
彼らは「大魔法使い五芒星」と呼ばれ、長きにわたり魔法界の要として畏敬の念を集めてきた。
五人は古くから親交があり、魔法界で問題が起これば集まり、知恵を出し合ってきた。
その中でもフィギンとリュートの二人は、同じ魔法学園の校長として競い合う関係であり、時には学園対抗戦を通じて互いの学園を鍛え合ってきた。
今日は、フーナバのリュート校長がギョウダアのフィギン校長を訪ねていた。
校長室で香ばしい紅茶の香りが漂う中、二人の会話が始まった。
「時にフィギンよ」
リュート校長が紅茶を一口飲みながら尋ねる。
「そっちはもう、対抗戦のメンバーは決まったのか?」
「フォフォフォ…まだじゃよ」
フィギン校長は長い髭を撫でながら笑う。
「まだじゃよって…随分と余裕じゃなあ。」
リュートは軽く眉を寄せた。
「フォフォフォ…今年はのう、凄いメンバーがおるからのう。」
「凄いメンバー…?ワシの学園、三連勝中なんじゃぞ?」
リュートは得意げに胸を張る。
「さては、もう勝てないと諦めたか?」
「フォフォフォ…その凄いメンバーとはのう…なんとピピンちゃんとゼフィリアの孫娘たちじゃ。」
「え…えええええええ!?」
リュートは紅茶を吹き出しそうになる。
「驚いたじゃろ?フォフォフォ…」
フィギンはその反応を楽しむように笑った。
リュートはしばらく口をパクパクさせていたが、何とか言葉を絞り出す。
「わ…ワシの所にもワシの孫がおるし!結界術のすべてを叩き込んであるぞ!」
「こっちは二人じゃ、フォフォフォ…」
「ず、ずるいぞーーー!」
その時、軽く扉をノックする音が響いた。
「失礼するのじゃよー。」
中に入ってきたのは、グリンディアだった。
リュート校長は思わず目を丸くする。
「この子…若い頃のピピンちゃんにそっくりじゃないか?」
心の中で付け加える。(まあ、ピピンちゃんは今も見た目が変わらんが…)
「フォフォフォ…ピピンちゃんの孫のグリンディアちゃんじゃ。お主にも紹介しようと思っての。」
フィギン校長が笑いながら言う。
「ピピンお祖母様から、フーナバ校長の話は聞いておりましたのじゃ。」
グリンディアが丁寧にお辞儀する。
リュート校長は感慨深げにうなずく。
「うむうむ。ワシがフーナバじゃよ。君がまだ小さい頃に会ったかもしれんな。それにしても、ピピンちゃんそっくりじゃなあ。」
「フォフォフォ…ピピンちゃんはのう、ワシらのアイドルじゃったのじゃよ。」
「ほおおお、そうだったんじゃな♪」
グリンディアは無邪気に答える。
「それにしても喋り方までピピンちゃんそっくりじゃのう。」
リュートは言った。
フィギン校長が目を細める。
「グリンディアちゃん、折角じゃしリュート校長にちょっと実力を見せてあげてくれんかのう?」
「いいけど、どうして?」
グリンディアが首をかしげる。
「…今後の魔法界の発展のためじゃよ。」
「よくわからないけど…まあいいか。」
そう言うと、グリンディアは魔力を隠す指輪を外した。
途端に、魔力値153万という超絶的な魔力が周囲に放たれる。
「ひ…ひええええええ!」
リュート校長は椅子から転げ落ちそうになった。
「じゃあワシそろそろ戻るのじゃよ。」
グリンディアはそう伝えた。
フィギン校長は満足げに笑いながら、お菓子を渡す。
「フォフォフォ…これ持っていきなさい。」
「おお!校長先生ありがとうなのじゃ!」
彼女は笑顔でお菓子を受け取ると、軽やかに校長室を出ていった。
リュート校長は未だ震える手で紅茶を持ちながら呟いた。
「な…なんじゃあの子…私等の遥か上の魔力値じゃないか…」
フィギン校長は余裕の笑みを浮かべる。
「フォフォフォ…ピピンちゃんの孫じゃからのう。」
リュート校長は立ち上がり、急ぎ部屋を後にする。
「ワシ…用事を思い出した…またのう!」
フィギン校長は一人残され、椅子に腰を下ろす。
「勝ったな。」
リュート校長はほうきに乗り空を飛びながら思案を巡らせる。
(な…なんじゃあの子…まともにやったら絶対に我が学園は勝てん…何か策を考えねば…!)
そして、空に消えていった。
その日の放課後、エルフィールがいるクラスにフレアが緊張した面持ちで現れる。
「よ…よぉ!」
フレアは不自然な明るさで声をかける。
「フレア?どうしたの?」
エルフィールが不思議そうに尋ねると、フレアは少しもじもじしながら意を決したように口を開いた。
「あのさ…ほら、この前デートのこと、考えても良いって言ってくれたじゃん!」
エルフィールは一瞬きょとんとした後、軽く微笑む。
「そうね。確かに約束したし…まあ、デートするのも悪くないかもね。」
「ほ、本当か!?」
その反応に、フレアの顔がぱっと明るくなる。エルフィールは少し笑って答えた。
「私は次の休日が空いてるわ。それでいい?」
「ああ、もちろん!次の休日な!」
エルフィールはうなずくと、ふと時計を見て立ち上がる。
「それじゃあ、私は職員室に用事があるから先に行くわね」
「わ、わかった!またな!」
エルフィールが教室を出て行った瞬間、フレアは拳を突き上げて声をあげた。
「やった…やったあああああああああ!」
そのあまりの大声と勢いに、教室の他の生徒たちは一斉に驚いて振り返る。フレアはまるで宝くじに当たったかのように飛び跳ねながら喜びを爆発させていた。
一方、廊下を歩くエルフィールはその騒ぎ声を背中で聞き、少しだけ苦笑いを浮かべる。
(やっぱり、断るべきだったかしら…)




