はじめてのフルコース!?魔法がかかるディナーと小さな小箱
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となりグリンディアはその後、オズワルドの家に居候することに。そんな二人の日常には、毎日のように少し奇妙で楽しい出来事が舞い込んでくるのだった。
オズワルドの家の前では、彼の両親がすでにグリンディアを迎え、にこやかに送り出していた。
「うふふ♪ グリンディアちゃん♪ 楽しんできてね♪」
オズワルドの母が柔らかな笑顔で見送る。
「いいなー♪ 楽しんできてね♪」
オズワルドの父もはしゃぎながら、グリンディアに向かって手を振る。
「お母様♪ お父様♪ いってくるのじゃ♪」グリンディアも嬉しそうに答える。
今日は、オズワルドとグリンディアがエリオット王子を手助けしたお礼の招待で、王都の有名レストラン「ベラルーサ」でフルコースディナーをご馳走になる日だ。
オズワルドの母も普段とは違うオズワルドの装いを見て感慨深げだ。
「オズワルド…しっかりグリンディアちゃんをエスコートするのよ」
彼女は少し緊張気味のオズワルドに声をかける。
「うん!わかってる」オズワルドは胸を張って頷いた。
彼を見た母は微笑みながら、「オズワルドったら…なんだか頼もしくなったわね♪」と目を細めた。
馬車で王都へ向かうと、すぐに「ベラルーサ」に到着した。
そこは、豪華な装飾が施され、音楽の生演奏が響く、王都で最も格式高いレストランだった。
「わーっ! 素敵! こんな広いレストランは初めてじゃ!」
グリンディアはきらきらとした目で辺りを見回す。
「僕もこんなすごいところは初めてです」オズワルドも少し緊張しつつ、驚きで目を見張る。
ウェイターの一人が丁寧に会釈しながら、自己紹介を始めた。
「サーカイと申します。本日はお二人に存分に楽しんでいただけるようにとエリオット様から仰せつかっております」
「ありがとうございます。今日はよろしくお願いいたします」オズワルドが礼儀正しく頭を下げると、グリンディアも「ワクワク♪楽しみじゃ♪ よろしくお願いするのじゃ♪」と満面の笑みを見せた。
最初に運ばれてきたのはスープだった。
「む…まずはスープからか」グリンディアが不思議そうにスープを見つめる。
「フルコースってこういう感じなんですね。僕は初めてです」
オズワルドが頷くと、グリンディアも「ワシだってそうじゃ♪」と目を輝かせた。
二人はスープを一口味わう。濃厚かつ繊細な味わいに、グリンディアが思わず目を丸くした。
「これは…おいしい…」
「本当に美味しいですね…」オズワルドも驚きの声を漏らす。
「悔しいけど…今までの美味しいとはわけがちがうな…」
グリンディアが心底感嘆している様子だ。
「そうですね…薄味なのにとても繊細で…でも奥深い…すごいですね」
「もうこれをお腹いっぱい飲みたいくらいじゃ♪」
「ははは。まだ一番最初のメニューですよ♪」
オズワルドが笑顔で返すと、グリンディアも楽しそうに笑った。
次々と運ばれてくる料理に二人は心の底から舌鼓を打った。
グリンディアはため息をつきながら、「はぁ…幸せじゃ…♪」と呟く。
「ええ…美味しすぎますね…」とオズワルドも頷き、食事を堪能している。
食事を楽しみながら、ふとグリンディアが微笑んだ。
「そういえば…ワシがマイハーマ村から出てきてから、もう三ヶ月くらい経つんじゃな」
「そうですね…本当に色々ありましたね♪」
グリンディアが音楽に耳を傾け、「素敵な音楽じゃなー」と呟く。
オズワルドも同意して頷く。「はい♪」
(ああ…なんだか幸せだな…とっても不思議な感覚だ…)
オズワルドの心に暖かな思いが溢れた。
グリンディアが、ポツリと漏らす。
「ワシは…ずーっとこうしていたいなー…」
「ははは。ずっといたらお店の方に怒られてしまいますよ♪」
と冗談めかして答えると、グリンディアはふふっと笑って肩をすくめた。
「そうじゃなくて…ワシは…今とても楽しいの…♪」
「そうですね…僕もとても楽しいです…♪」
二人はお互いに目を合わせ、微笑み合う。
少しして、オズワルドが照れくさそうに
「…ちょっとトイレいってきます!」と席を立った。
「もーーーー!」
グリンディアは苦笑しながらオズワルドの背中を見送った。
その間、ふと彼の鞄に目が行き、そこから小さな箱が見え隠れしていることに気づく。
「ん…あの綺麗な小箱は…宝石でも入ってる?」
グリンディアはその箱を見て、胸がどきどきしてきた。
「んんんんんんんん? そういう空気?」
彼女は何か期待を含んだ視線でその箱を見つめた。
(まさか…ワシらまだ若いし学生だし…前にもプロポーズっぽいこと言われたけど、何もなかったし…)
(で…でもワシは…将来オズと一緒にお菓子屋さんをやるのも良いなあって思ってる♪だからもしもそうだったら…ワシは…)
少し照れながらも期待で胸を高鳴らせていると、戻ってきたオズワルドが席についた。
「お待たせしました。」
「お…!遅いぞ!」と少し焦ったグリンディアに、オズワルドは「へっ?ごめんなさい」と頭を下げた。
そして、オズワルドは緊張した面持ちで彼女を見つめる。
「…あの、グリンディア様に…お渡したいものがあります…」
グリンディアは胸が高鳴り、どきどきしながら応える。
「は…はい…な…なんじゃろう…」
オズワルドは鞄から小さな箱を取り出し、ゆっくりと彼女の前に差し出した。




