最強の妹ができた日…魔法少女とお嬢様の本当の絆
あらすじ:
「最弱魔法使い」と学校で呼ばれているオズワルドは、ある日、学園最強の魔法少女グリンディアと出会う。彼はひょんなことからグリンディアの従者となり、彼女はその後オズワルドの家に居候することになる。
ある日のこと、二年生のクラスではスカーレットとその従者であるマーカスが、クラスメイトたちと談笑していた。そこへ、スカーレットのお嬢様ライバルであるルビーが話に割り込んできた。
スカーレットは自信満々に言い放つ。
「ワタクシの家にはボートが三隻あるのよ!」
それを聞いたルビーは鼻で笑い、わざとらしく高笑いする。
「おほほほ♪ アナタの家なんて所詮成金一家じゃなくて?ウチと比べて格式というものが欠けていらっしゃるわねぇ~」
スカーレットの顔がカッと赤くなる。
「くくく…くっそーーー!そ…そうだわ…あの学園最強魔法使いの一年、グリンディアは私の妹分なのよ…!」
ルビーはまたしても勝ち誇ったように笑った。
「 苦し紛れの嘘をおっしゃるのはやめてくださる?そんなはずないじゃない♪おほほほ♪」
スカーレットは必死で言い返す。
「ほ、本当なんだから!」
マーカスは心の中でため息をついた。
(お嬢様…それはさすがに無理があるかと…)
そのとき、教室の入り口に現れた二人の姿が、スカーレットとルビーの会話を止めさせた。
「お姉ちゃん!」元気いっぱいの声で教室に入ってきたのはグリンディアだった。
隣には、少し照れくさそうに挨拶するオズワルドもいる。
「どうも…こんにちは」
スカーレットは驚きのあまり目を見開いた。
「あ、あら…グリンディア?どうしてここに?」
グリンディアはにこにこしながら言う。
「昨日、お姉ちゃんが作ってくれたお菓子が美味しかったから、お礼を言いに来たのじゃ♪」
スカーレットは慌てながらも平静を装う。
「あら、そう?美味しかったならよかったわ♪」
グリンディアはさらに目を輝かせて頼む。
「またスコーン作ってくれる?」
スカーレットは笑顔で応える。
「いいわ、また作ってあげる♪」
「ありがとー!」グリンディアは嬉しそうにスカーレットに抱きつく。
その光景に教室内はざわめき始めた。
「ま…まさか…本当だったなんて…」ルビーは驚きを隠せない。
「あのグリンディアがスカーレットの妹分…?」「すごい…!」
他の生徒も口々に囁く。
スカーレットは心の中でほくそ笑んだ。
(こ…これ、使えるかも…!)
放課後、スカーレットはグリンディアの元を訪ねた。
「グリンディア♪ これからは私のことを本当のお姉ちゃんだと思って、なんでも頼ってくれていいのよ♪」
グリンディアは目を丸くする。 「本当に?」
スカーレットは力強く頷く。 「ええ、本当よ♪」
グリンディアは、照れくさそうに頬を赤らめて言った。
「ワシにそんなことを言ってくれた人、初めてだから…嬉しい♪」
スカーレットは胸の奥が温かくなるのを感じた。
(この子…かわいいところあるわよね…)
その後、二人は行動を共にすることが増え、2人はウマが合いすぐに仲良くなった。
学食では、グリンディアが元気よく叫ぶ。 「姉ちゃん!そのチキン、ワシにくれー!」
スカーレットは笑いながら返す。
「ははは♪ しょうがない子ね~♪食べていいわよ♪」
別の日には、スカーレットが自慢げに話す。
「私の家には船があってね、夏には小島の別荘に行くのが楽しみなのよ♪」
グリンディアは目を輝かせて言った。 「いいなー!ワシも乗りたい!」
スカーレットは微笑んで答える。 「いいわ♪来年一緒に行きましょう♪」
「わー!楽しみじゃ♪」と、グリンディアは無邪気に喜んだ。
そんな二人の様子を見ていたオズワルドも、微笑みながら呟いた。
(グリンディア様、楽しそうだなあ…僕も少しはゆっくりできそうだ♪時間あるし…何かするかな。)
翌日、スカーレットは授業中、ふと窓の外に目をやると、魔法で空を飛ぶグリンディアの姿が見えた。グリンディアはスカーレットに向かって無邪気に手を振っている。
スカーレットは思わず笑顔になり、手を振り返した。
しかし、その瞬間、スカーレットはハッとした。
(私…最初は彼女の力を利用しようとしていたんじゃ…?)
自分の心の中で何かが変わったことに気づき、彼女は顔を赤くしながらも小さく呟いた。
「私…なんだか凄く…悪いことをしている気がしてきたわ…」
横にいた従者のマーカスがくすりと笑う。
「おやおや…お嬢様。人として成長されましたか?」
その日の放課後、スカーレットは決心してグリンディアの元を訪れた。
「ねえ、グリンディア…私、あなたとちゃんと仲良くなりたいの」
と言いながら、スカーレットは真剣な表情でグリンディアを見つめた。
グリンディアはきょとんとした顔で答える。
「えっ?いまでもそうじゃん。」
スカーレットは首を振り、真剣な表情で続けた。
「違うの。あのね、最初はあなたが伝説の一族で、すごい魔力を持ってるから、仲良くしたいって思ってたの…」
「そ‥そっか…」
グリンディアは少し悲しそうな表情を見せた。
スカーレットは一息つき、涙をこらえながら言った。
「でも…あなたと一緒に過ごすうちに、私は本当にあなたといる時間が楽しくて、だから…こんな駄目駄目な私だけど、これからもあなたの友達でいたいの…」
「…ありがと…ワシも姉ちゃんと一緒にいて楽しいよ♪」
とグリンディアが優しく微笑み、スカーレットの心の重荷がスッと消えていった。
スカーレットはグリンディアの言葉に涙ぐみながら、そっと抱きしめた。
「ごめんね、グリンディア…ありがとう…」
翌日、学食にて。
「でも…ワシを利用しようとしたバツでご飯は姉ちゃんのおごりで食べ放題じゃあ!」
グリンディアがいたずらっぽく笑う。
スカーレットは泣きそうな顔をして叫んだ。
「えぇぇ!?グリンディアは魔法でいくらでも食べれるから、食べ放題なんて…流石にお小遣いがなくなっちゃう!」
こうして二人は、今後も仲良しであり続けるのだった。(めでたしめでたし)
しかし、この物語の裏では、全く別の事態が進行していた――。
とある女生徒が、オズワルドに向かって明るく微笑んだ。
「あーーーーっ♪君はオズワルド君だね♪」




