最強ライバル登場!?最強魔法少女VS名門令嬢!華麗な三つの勝負ですわ!
あらすじ:学校で「最弱魔法使い」と呼ばれるオズワルドは、ひょんなことから最強の魔法少女・グリンディアの従者となり、グリンディアはオズワルドの家に居候することになった。
朝陽が照らす魔法学園の校門に向かって、二人の生徒が並んで爆風の中を駆けていた。
「はっはっはっ!ワシとどっちが早いか競争じゃーー!!!」
と、グリンディアが楽しそうに声を上げる。
「うわーーーー!グリンディア様、早すぎですよーーー!」オズワルドは全力で走りながら、飛んでいく彼女の背中を追いかけた。
グリンディアが空を魔法で飛びながら笑っている横で、必死に地面を駆け抜けるオズワルド。
その勢いで巻き起こった風に、近くを歩いていた二年生のスカーレットとその従者マーカスが吹き飛ばされそうになる。
教室にたどり着いたスカーレットは、頬を膨らませて怒りを抑えきれない様子でマーカスに愚痴を漏らしていた。
「な…なんなのよ、あの子!生意気にもほどがあるわ!」
「スカーレット様…あの子にライバル心を燃やしても意味がないと思いますけどね」
とマーカスはため息混じりに言う。
「なによ!アナタ、私の従者なのに私の言葉に賛同しないの?!」
マーカスは肩をすくめ、
「だって、以前も港町でたまたまあの子を見かけたら一瞬で眠らされたじゃないですか…」
スカーレットは悔しそうに唇を噛んだ。
「あの時は油断してたのよ…私は名門シャインリッチ家の出よ!こんなことで舐められてたまるもんですか!」
「聞いた話ですが、あの女の子は魔王から世界を救った伝説の一族の子孫らしいですよ」
「そ、そうなの…? 家柄で威張るなんて、なおさら生意気ね!」
スカーレットはますます闘志を燃やした。
「…どの口が言ってるんですか?」
とマーカスは呆れ顔で言うが、スカーレットはそれを無視して決意を固める。
「とにかく、あの子に何らかの形で勝つ方法を探すのよ!」
「…スカーレット様、学園四天王とあの子たちの魔法試合を、見たでしょう?どう考えても勝てる気がしないんですが…」
「勝負は内容次第よ!どんな形でもいいから、私が一番だって証明するの!」
スカーレットはそう言って、決意に満ちた目でグリンディアのいる教室に向かった。
一年生の教室の扉が開き、堂々とした二人の生徒が入ってきた。スカーレットは真っ直ぐにグリンディアの席へ歩み寄る。
「グリンディア!アナタに勝負を申し込むわ!!」
その強気な宣言に教室の空気が一変する。視線を向けられたグリンディアは、じっと彼女を見つめ、面白そうに口元を少し上げる。
「ほう…」
そう言いながら、グリンディアはすぐに指を鳴らす素振りをし、睡眠魔法で彼女を一瞬で黙らせようと構えた。しかし、スカーレットは焦った様子で鞄から箱を取り出した。
「ま…待って!こ、これをあげるから挑戦を受けてくれない?」
彼女が差し出した箱には、光沢のある高級チョコレートが収められていた。それを見たオズワルドが驚きの声を上げる。
「あーーー!これ、モックヨックの高級チョコレートだ!」
「なんじゃと…!?美味しいのか?」
「はい!一度だけ食べたことがあるんですけど、すごく美味しいですよ!」
グリンディアは目を輝かせてスカーレットを見つめた。
「ワシも食べたい!よかろう、挑戦を受けてあげる!」
スカーレットはホッと息をつきながらも、改めて自己紹介を始めた。
「私は名門シャインリッチ家のスカーレットよ。今日はアナタの力を確かめに来たわ!」
隣に立っていたマーカスが一礼し、控えめに言った。
「僕はその従者のマーカスです。よろしく」
グリンディアは腕を組み、興味津々な様子で尋ねた。
「で、その勝負とやら、何をすればいいのじゃ?」
スカーレットは不敵な笑みを浮かべて言う。
「まずは…魔法説明勝負よ!この教科書に載っている魔法について、どれだけ詳しく説明できるかで勝負するわ!」
スカーレットは勝ち誇った顔で続ける。
(ふふふ…これは二年生の教科書よ。一年生のアナタが理解できるはずがないわ)
オズワルドは焦った表情でスカーレットに忠告した。
「その勝負は辞めた方が良いと思いますよ…?」
「ふん!グリンディアの従者だからって助け船を出してるのね」
しかし、グリンディアはそんな話しは気にせず、教科書を手にすると不思議な力を使い始めた。
彼女の手から光が放たれ、教科書の文字がまるで生きているかのように浮かび上がり、次々と彼女の体内に吸い込まれていく。教室中がざわめき出し、スカーレットも驚きの声を漏らす。
「え…なにこれ…」
スカーレットが言葉を失っている間に、グリンディアは教科書の内容を一字一句朗読し始めた。
「地震魔法とは、大地の力を利用して地面を揺るがせ、敵や障害物を攻撃または防御する魔法です。主に土系統の魔法に属し、熟練の魔法使いによってのみ扱える高度な術式が必要とされます。この魔法の使用は…」
スカーレットは顔を引きつらせながら小さく叫ぶ。
「ひええええええ!」
オズワルドは冷静に解説する。
「グリンディア様は本の内容を言霊として体内に取り込み、一瞬にして全て覚えることができるんですよ」
「つ…次よーーー!」
昼食の時間、スカーレットとマーカス、グリンディアとオズワルドの4人は学校の食堂に移動していた。
「次は大食い対決よ!!」
スカーレットが勝ち誇った顔で叫ぶ。グリンディアは瞳を輝かせた。
「大食い対決!?ワクワクするのう!」
スカーレットはにやりと笑い、お金をちらつかせる。
「学食でどちらがたくさん食べられるか勝負よ!費用はお嬢様のこの私が出してあげるから、好きなだけ食べなさい!」
スカーレットは密かに思う。
(美味しいものが好きと言っても、この子小さいし、どうせそんなに食べられないでしょう)
マーカスはあきれ気味に呟いた。
「お嬢様…大食い対決って…まあ僕はなんでも良いですけど…」
再びオズワルドが忠告する。
「その勝負は辞めた方が良いと思いますよ…」
「ふん、また助け船を出してるのね!」
スカーレットとグリンディアは山のように料理を積み上げ、一生懸命に食べ始めた。
しばらくして、グリンディアが息をついて言った。
「う…お腹いっぱいじゃ」
スカーレットは得意げに笑う。
「むぐぐ…これで私の勝ちね!」
しかし、グリンディアは呪文を唱えだし、みるみるうちにお腹がぺたんと凹んでいった。スカーレットが驚きの声を上げる。
「な…なによこれ…」
「よし!第二ラウンドじゃ!美味しいーーー!!むしゃむしゃ!」
オズワルドがまた説明する。
「だから言ったじゃないですか。グリンディア様はお腹の栄養をMPに変換することができる体質なんですよ」
スカーレットは唖然としながら、オズワルドに詰め寄る。
「あ、あなた、なんで先にそんな大事なことを言わないの?」
マーカスは冷静に答えた。「彼は忠告してましたよね…」
「つ…次よ次!!」
放課後、4人は学校の調理室に集まっていた。
スカーレットは意気込んで宣言する。
「ならば料理対決よ!!我が家秘伝のお菓子のスコーンを作って、アンタを唸らせてやるわ!」
スカーレットは腕をまくり、懸命にスコーンを作り、出来上がったそれをグリンディアに差し出した。
「さあ、食べてごらんなさい!!」
グリンディアが一口食べて目を輝かせる。
「美味しいーーー!このお菓子、本当に美味しい!」
「ふふ、どう?流石のアナタもこれにはグウの根も出ないでしょ!」
グリンディアは素直に頷いた。
「うん!すっごく美味しい!」
スカーレットは満足げに笑い、勝利を確信した。
「よっしゃー!勝った!」
オズワルドも感心した様子で言う。
「へえー、素敵なお菓子ですね!僕も練習しようかな」
その後、グリンディアは嬉しそうにスカーレットに礼を言った。
「お姉ちゃん、今日は一緒に遊んでくれてありがとう♪ご飯もごちそうしてくれて、本当にありがとう!」
スカーレットは照れながら言葉を返す。
「へっ…なにこの子、かわいいじゃない…」
「スコーン、すっごく美味しかった!また一緒に遊ぼうね♪」
「そ、そうね!また一緒に遊ぶのも…悪くないわね。」
その後の帰り道、馬車に揺られるスカーレットとマーカス。
「ハッハッハ!今日は私のスコーンでグリンディアを唸らせてやったわ!勝った!」
「へーーい…」
一方、オズワルドの家では、グリンディアとオズワルドが一日の思い出を語り合っていた。
「今日はとっても楽しかったなー!ご飯もごちそうしてくれたし、お菓子も作ってくれたし!あのお姉ちゃん優しかった♪」
「よかったですね♪いい友達ができて♪」




