許婚の真実を探しに!?ふたりだけの王都探索
あらすじ:学校で最弱魔法使いのオズワルドはひょんな事がきっかけで最強魔法少女グリンディアの従者となりグリンディアはオズワルド家に居候している。
そんな中オズワルドは幼馴染のエルフィールに自分には許婚がいると打ち明けられた。
エルフィールは夕暮れの空をぼんやりと見上げ、ふと両親に許婚の話を切り出されたあの夜を思い出していた。
それは家族で食事を囲むひとときのことだった。
エルフィールの父は、少しだけ緊張した面持ちで口を開いた。
「エルフィール、今日は大事な話があるんだ。」
エルフィールは、父のいつもとは違う様子に気付き、フォークとナイフを置いて向き直る。
「なあに、お父上?」
「実は、お前に縁談の話が来ている。」
「そっ……そんなこと、いきなり言われても……」
エルフィールは驚きで声を失い、父を見つめる。しかし、父は神妙な顔で続けた。
「そのお相手がな……アールヴェン王の御子息で、第四王子のエリオット様なのだ。なんと、王様が直々にこの話を持ってきてくださった。」
エルフィールの母も、優しい笑みを浮かべて頷いた。
「エルフィール、驚いたでしょうけれど、これはとても素敵なお話よ。アナタが王族になれるなんて、素晴らしいことだわ。」
父もまた、力強く頷いた。
「アールヴェン王は民を愛し、民に愛される立派なお方だ。そのお方の御子息との縁談など、家にとっても身に余る光栄だぞ。」
「……もちろん、アールヴェン王が素晴らしい方だということは存じています。」
エルフィールの母が優しく微笑み、エルフィールの肩に手を置く。
「私たちは、エルフィールが幸せになることを心から願っているの。アナタなら王族として、きっと一生幸せに過ごせるわ。」
エルフィールは両親の想いを受け止めた。イディーナ家のためだけでなく、何よりも自分の幸せを願い、縁談を進めているのだと感じたのだ。
「わかりました……この縁談、お受けいたします……」
彼女はそう言い、決意した。
しかし、現実は複雑で、どうしても不安と寂しさが込み上げる。彼女は空を見上げ、重いため息をついた。
一方、オズワルドの部屋では、グリンディアとオズワルドが真剣に話し合っていた。
「よし! 王都に行って情報収集してみよう!」グリンディアが胸を張って宣言する。
オズワルドは思わず困惑した顔になる。「えっ? 情報を集めてどうするんですか?」
「ま、エルフィールはクラスメイトじゃろ? あんなに沈んでおったら、さすがにワシも心配になるわい。」
オズワルドは少し驚いたように笑みを浮かべる。
「グリンディア様……エルフィールとよく衝突してるのに、優しいんですね。」
「ワシはいつだって優しい女の子じゃわい!」
オズワルドは小さく笑って、「確かにそうですね……わかりました。フレアと三人で王都に行きましょう。」
「えぇっ……フレアはいいよ! 今回はワシとオズ、二人で行こう。」
「どうしてですか?」
グリンディアは少し頬を膨らませて、
「だって、この前オズがエルフィールと二人で出かけてたじゃろ? 今度はワシと2人で行こう!」
オズワルドはやや戸惑いながらも、
「わかりました。たしかに、フレアがいると何かと騒ぎを起こしそうですし、二人で行くのが良いかもしれませんね。」
「じゃろ~?」グリンディアは得意げに笑う。
「ところで……王都には何か美味しいものがある?」
オズワルドは苦笑しつつ、「僕は王都にはあまり行ったことがないので、母さんに聞いておきます。」
「よろしく頼んだ♪」
休日、二人は早速王都へと足を運んだ。
「うわーーー! すごい町並みじゃ! 王都はでかいのう!」グリンディアは目を輝かせながら街を見渡した。
「ははは。僕も来るのは何年かぶりです。」
「さて、さっそく美味しいものを探しに行こう!」
「ええ? 今回は情報収集に来たんですよ?」
「まあまあ、良いではないか♪色んな人と話しながら美味しいものを食べれば一石二鳥じゃ♪」
オズワルドは仕方なさそうに頷き、「分かりましたが…目的は忘れないでくださいね」と言った。
「わかっておるって♪」グリンディアはさっそく目の前の屋台を見つけ、声を弾ませる。
「さて、オズ。このスティックじゃが……」
彼女は不思議なスティックをオズワルドに手渡す。
「これを持っておると、もしはぐれてもワシの方向に倒れるんじゃ。」
オズワルドは目を丸くし、「えーっ! すごい! 王都は広いですし、これはいいアイテムですね。」
「じゃあ、さっそくあの屋台の肉を食べに行こー!」
オズワルドは苦笑しつつ、後を追いかける。
「いやぁー! 食った食った! この肉うめー!」グリンディアは満足げに口を拭う。
オズワルドは、グリンディアの様子を見て少し困ったように口を開いた。
「グリンディア様、当初の目的を忘れてませんか?」
グリンディアは楽しそうに笑って答える。
「大丈夫じゃよ~。ちゃんと聞いておる。王様は民に愛されて、息子が四人おるってさ。なかなか良い王様らしいのう。」
オズワルドは少し驚きながらも、ほっと息をついた。
「さすがですね…抜け目がないです。」
「でもな、王様がそんな良い方なら、エルフィールの縁談も悪い話じゃない気がするんじゃ。」
オズワルドも頷きながら、「確かに、僕もアールヴェン王は大変に素晴らしい方だと思います。」
グリンディアは少し沈黙した後、にこっと笑って言った。
「あ、そうじゃ。オズ、この先に噴水があるって聞いたんじゃ。見に行こ!」
「良いですね♪」
グリンディアはふいにオズワルドの手を取った。
「へっ…?」
「人が多いから、はぐれないように……」
「……たしかに、そうですね。」オズワルドは小さな彼女の手の温もりを感じ、鼓動が早くなるのを感じた。
彼が赤くなるのを見て、グリンディアは少し照れたように下を向いて微笑んだ。
二人は美しい噴水の前に立ち、しばしその光景に見惚れていた。
「わあ……綺麗じゃのう……♪」グリンディアが目を細めて言う。
「本当に素敵ですね。」オズワルドも同意した。
二人は目的も忘れ、のんびりと噴水のそばで過ごしていたが、そんな二人を遠くから見つめる影があった。
謎の男は、じっと二人を見つめ、つぶやいた。
「……あの二人は……もしや……あの時の……?」




