表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/118

プロポーズと母の温もり

夜が迫る頃、オズワルドとグリンディアは一緒に家へ戻ってきた。二人は昼から町近辺を歩き回り、特別な時間を過ごしたばかりだ。オズワルドは満足げに口笛を吹きながら家に入るが、一方のグリンディアは顔を真っ赤に染め、そわそわとしていた。心臓の鼓動は早まり、戸惑いと緊張が混じった感情が胸に渦巻いている。




――家に入ると、夕食の準備が整い、家族は食卓に集まっていた。いつもの温かい雰囲気が漂う食卓に、オズワルドとグリンディアも席に着く。母が優しい笑顔で声をかけた。


「今日のお出かけはどうだったの?」


その穏やかな声は、部屋全体にさらに和やかな空気を広げる。


「グリンディア様がかぼちゃ亭を気に入ってくれたよ♪」

オズワルドは嬉しそうに母に答えた。


「それは良かったわね♪」母も満足そうに頷く。


父もその会話に加わる。「かぼちゃ亭はいいお店だろう?今度は家族みんなで行こう♪」


しかし、グリンディアは父に話しかけられても反応が鈍く、ただ曖昧に「う…うん…」と返すだけだった。彼女の心は、今日オズワルドと過ごした出来事にすっかり囚われていた。




――夕食が終わり、家族が片付けを始めると、グリンディアは心の中に渦巻く感情をどうしても抑えきれず、そっと母に声をかけた。


「あの…お母様…後でお話してもいい?」


母は少し驚いたが、すぐに優しい微笑みを浮かべて答えた。

「もちろんよ。寝る前に私の部屋にいらっしゃいな♪」



――夜が更け、家の中が静まり返った頃、グリンディアは母の部屋を訪れた。ドアをそっと開け、緊張した面持ちで入ると、母が優しい目で迎え入れてくれた。


「お母様、実は…今日オズとデートして…その…もしかして、プロポーズされたんじゃないかって…」


グリンディアの声は震えており、彼女は恥ずかしさから目を伏せたままだった。母は驚いた様子で息を飲んだ。

(プロポーズ?あの子…ずいぶん思い切ったわね…)




「オズに『一生アナタのために生きたい』って言われたんだけど、私たち、まだ若いし…そんなこと急に言われても…」グリンディアは顔を真っ赤にしながら話し続ける。

(オズワルドがグリンディアに伝えたのは本来は「一生アナタの従者でいたい」であったのだがグリンディアはそう判断した)



母は心の中で驚きながらも、優しい声で答えた。


「アナタたちはまだ若いわね。でも、オズワルドがアナタをそれほど大切に想っているなんて、とても素敵なことだと思うわ」


「うん…」グリンディアは小さく頷く。


母は優しく彼女の手を握り、温かい笑みを浮かべて言った。


「二人がいつか結ばれることになったら、私はとても嬉しいわ♪」


「お母様…本当に?」グリンディアは驚いた顔で母を見つめた。


「もちろんよ♪オズワルドはアナタのためなら何でもする子。もし二人が結ばれたら、毎日美味しいお菓子を焼いてくれるんじゃないかしら?」

冗談交じりの母の言葉に、グリンディアは思わず顔をほころばせた。


「うん♪オズはいつもワシの為に頑張ってくれるよね…」 彼女は少し照れながら微笑んだ。

(た…たしかにオズは一生ワシに尽くしてくれると思うし…悪くないかも…)と、心の中でふと思う。


母の温かい言葉に包まれ、グリンディアの心は次第に落ち着きを取り戻していった。心に溜まっていた不安が少しずつ解けていく。


(オズワルド!絶対にグリンディアちゃんと結ばれるのよ!そして魔王の血筋の復活よ♪)

母の内心ではそんな思いが広がっていたが、グリンディアには気づかれないように、さらに穏やかな笑顔を浮かべるだけだった。


「ふふふ♪」「うふふ♪」

図らずも、母とグリンディアの利害は一致していた。




その後、グリンディアは少し恥ずかしそうに小さな声で尋ねた。


「あの…お母様、今日は一緒に寝てもいい?」


母はすぐに温かい笑みを浮かべて頷いた。「うふふ♪もちろんよ♪」



二人は布団に入り、寄り添いながら穏やかな夜を過ごした。母の温もりに包まれたグリンディアは、次第に心が落ち着き、安心して眠りに落ちていった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ