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勇気を出して、あなたへ。従者と魔法少女の二人の想い

挿絵(By みてみん)



河原に現れた冢界からの魔物である不死身のバロルを満身創痍で退けたオズワルドとグリンディアは、夜風の吹く中を並んで歩きながら、グリンディアが居借しているオズワルドの実家へと向かっていた。


「オズ…体調はどう…」

グリンディアが心配そうにオズワルドの顔を親しげに観た。


「グリンディア様に回復魔法をしてもらったおかげで、もう大丈夫です♪ むしろ、なんだか充電されたみたいに充実感があるくらいです!」


「そ…そうか…」

グリンディアは少しぎこちない笑みを浮かべた。その心中では、バロルの魔力を吸収してしまった影響ではないかと疑徳が浮かんでいたが、あえて言葉にはしなかった。


「オズ…今回も助けてくれてありがとう。」

「ははは♪ さっきも言いましたけど、従者として当然のことですよ!」


「うん…でもオズじゃなかったら無理だったと思う。」


オズワルドは少し照れたように笑みを浮かべる。

「そんなふうに言ってもらえると、本当に嬉しいですよ♪」


「ワシは…オズと会えて、本当に良かったって思ってる。」


「ぼ…僕こそです!」


グリンディアは一瞬ためらったあと、小声で続けた。

「あのね…夕食が終わって寝る前になったら、話したいことがあるの。良い?」


「えっ…?またご褒美を…いただけるとか…?」


「ううん…もっともっと…大切なこと。」


「大切なことですか…?わ…わかりました!」



やがて二人はオズワルドの実家に身をつけた。家の中からは暖かい光がもれ、迎え入れるように輝いていた。


「おかえりなさい♪」

オズワルドの母親と父親が、笑顔で二人を迎えた。


「どうしたの…?二人とも服が少し汚れているような…」


グリンディアは輛しくかたをすくめながら答える。

「これは…二人で河原を散歩していたら…転んでしまって…」


「そ…そうなんだ…」


オズワルドは母親が特に追及しないことにほっと胸を撫で下ろした。

「あらまあ…そうなのね。じゃあ、まず着替えてらっしゃい。それから夕食にしましょうね♪」


母親がキッチンに向かった後、オズワルドは小声でグリンディアに耳打ちした。

「今日のことも…秘密にしておくんですね。」


「うん…お母さまを心配させてもいけないからね。」


「そうですね…それに伝えたところでどうしようもないし…」


「うん…言わないほうが良いじゃろ。」



二人は着替えを終えた後、普段通りの夕食を家族と共に楽しんだ。暖かなスープの香りと、和やかな家族の笑い声が響く中、オズワルドはふと先ほどグリンディアが言っていた「話したいこと」が気にかかっていた。



夕食が終わり、各自が自分の部屋に戻ると、オズワルドはベッドに横たわりながら胸が高鳴るのを感じていた。

「なんだろう…あの大切な話って…。僕にとっても大事な話だといいな。」



そう思いながら待っていると、しばらくして家全体が静まり返った頃、控えめなノックの音がした。


コンコン。


「オズ…起きてる…?」


「あ、はい!起きてます!」


扉を開けると、グリンディアが立っていた。彼女はいつもより少しだけ緊張した表情を浮かべている。

「今からちょっと行きたいところがあるんじゃ。寒いし、暖かい恰好をしてくれる?」


「えっ…今からですか?」


「うん…どうしても。」


「わ、わかりました…!着替えます!」


オズワルドは急いで上着を羽織り、暖かな服装に着替えた。準備が整うと、グリンディアは彼に手を差し出した。


「窓から出るよ。浮遊魔法で飛んでいくから、しっかりつかまって。」


「久しぶりですね、二人で空を飛ぶの…。」


夜空に浮かび上がると、星がきらめき、冷たい風が頬を撫でた。オズワルドはグリンディアの指示に従い、飛ぶ先を見据えた。


「これからどこに行くんですか?」


「すぐそこじゃ。」



やがて、二人は村の外れにある小さな教会に降り立った。月明かりに照らされた教会は、静寂と神聖さを湛えている。


挿絵(By みてみん)



「教会に来たかったんですか?」


「うん…ここで話したいことがあるんじゃ。」


「わ、わかりました…。」

オズワルドは心臓が早鐘のように鳴るのを感じながら、グリンディアの言葉を待った。


グリンディアは少し考え込みながら口にした。

「今回やってきた魔物…とんでもなく強かったね。」


「そうですね…。何とか勝利できましたが、大変な相手でした。」


グリンディアは小さく息を吸い込み、目を閉じた。意を決したようにオズワルドを見つめる。

「この先、何が起きるかわからないから…先に伝えておきたい事がある。」


「伝えておきたい事…?」



グリンディアは少し恥ずかしそうに目をそらしたが、しっかりとした声で言った。

「ワシ…オズのことが好き。」


オズワルドは驚きで言葉を失った。

「えっ…!?」


「多分、初めて会った時からずっとそう。ワシにとってオズはきっと初恋の人だと思う…♪」


オズワルドは慌てて手を振った。

「ま、待ってください!僕に先に言わせてください…!」


「!?」


「僕のほうが…僕のほうが…ずっとずっとグリンディア様のことが大好きなんです!!」


グリンディアは顔を赤くしてうつむいた。そして、小さく笑いながら答える。


「うん…♪知ってる♪」


二人は顔を見合わせ、笑みを交わした。


「だから…ワシ、考えたことがあるんじゃ。」


グリンディアの顔は真っ赤に染まり、声も少し震えていた。


「もし…今起こってる事態を乗り越えることができたら…ワシとこの先、結婚しよ…?」


オズワルドは目を大きく見開き、驚きの声を上げた。


「け…け…結婚!!?」



グリンディアの思いがけない告白に戸惑うオズワルド。

次回、オズワルドが出した答えとは?

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