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闇の接吻!?因果を壊す魔法少女の情熱のキス

挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)


「話したいことってなんじゃ?」

グリンディアが問いかけると、オズワルド――いや、闇の者に憑依されたジェリコは、一瞬ためらうような素振りを見せたが、不自然な笑みを浮かべて答えた。


「実は…グリンディア様と…キ、キスがしたいのです!」


突然の告白に、グリンディアの顔が真っ赤になった。

「お主…本気か…?」


ジェリコはさらに一歩前に出る。

「僕はどうしてもグリンディア様とキスがしたいんです…!」



グリンディアは困惑しながらも、オズワルドの顔をしたジェリコの真剣そうな表情に戸惑った。

「学校でキスするの…?」


「はい…どうしてもここで、すぐに。」


その一言に、グリンディアは考え込むように視線を落とした。

「この前助けてもらったとき、ご褒美をあげておらんかったし…。まあ、端っこの誰もおらん場所なら…。」




そう言って、グリンディアは立ち上がり、人目の少ない場所へと移動を始めた。ジェリコはその後ろを満足そうに歩く。


人通りのない小道の片隅に着くと、グリンディアは小さなため息をつき、言った。

「それで…しゃがんでくれるか?」


オズワルドの顔をしたジェリコは嬉しそうに頷き、彼女の目線に合わせるように膝をついた。

「目を閉じてくれる?恥ずかしいから…。」


「わかりました。」


ジェリコは目を閉じ、心の中で小さく笑った。

(これで計画通りだ…グリンディアさんを闇の接吻で眠らせて…ふひひ、初めてのキスが彼女とのものになるなんて。)



しかし次の瞬間ジェリコの体が何かに縛り付けられる感触がした。


「ん?なんだこれ?!動けない!!」


目を開けた瞬間、ジェリコは自分の体が魔法の鎖に絡め取られていることに気づいた。驚愕の声を上げる。


「怪しい魔力が漏れておるのを察知せんとは思ったか?バレバレじゃぞ。」

グリンディアは腕を組み、冷たい目線を送った。


「くっ…そんな事までわかるのか???」


オズワルドの顔をしたジェリコは歯ぎしりしながらもがくが、鎖は緩む気配もない。ちょうどその時、遠くからオズワルド本人の声が聞こえた。


「グリンディア様!やっと見つけました!…え?」


木々の隙間から姿を現したオズワルドは、自分と同じ顔をした男が縛られているのを見て固まった。


「これ…僕?!」


「やっと本物が来たか。」グリンディアが振り返り、鎖で縛られた相手を指差した。


「こやつは闇の王の配下じゃ。お主に化けおった。」


オズワルドは目を丸くしながらも納得した様子で頷く。

「さすがグリンディア様…。こうも簡単に捕まえるなんて…。」


グリンディアは再び縛られたオズワルドの顔をしたジェリコを睨みつけた。

「さて、色々聞かせてもらうぞ。まずお主の正体を暴くかの。」


指先に魔力を込め、グリンディアは雷魔法を放つ。


「雷魔法!」


青白い稲妻が"オズワルド"の顔を直撃し、その瞬間、顔の偽装が崩れ去り、本来の姿――ジェリコが現れた。


「ぎゃあああ!いててて!やめてくれ!」


オズワルドはその顔を見て驚愕した。

「ジェ…ジェリコ?!なんで君がここに…?」


グリンディアも目を丸くする。

「お主…一体何をやっておるんじゃ?」


ジェリコはぐったりしながら呻き声を漏らした。

「うう…バレた…くそぉ…。」



グリンディアは険しい表情を浮かべながら目の前に立つジェリコを見据えていた。だが、そのジェリコはただの彼ではない。彼の体には闇の者が憑依している。


グリンディアは眉間に皺を寄せ、目の前の奇妙な光景にため息をついた。

「なんなんじゃ…まあいい。今回はイグニスの時と違って、闇の者をしっかり捕まえた。さて、知ってることを話してもらうぞ。」


だが、ジェリコの中に潜む闇の者は怯む様子もなく、むしろ威勢よく叫び返した。

「だ…誰が話すもんか!!」


グリンディアは、即座に雷魔法を発動。

「雷魔法!」


稲妻がジェリコの体を軽く包み込むと、彼は激しく跳ね上がった。

「ぎゃあああ!いてて…わかった…話します…!」


グリンディアは呆れ顔でため息をつき、ジェリコをじっと見据えた。

「この前の闇の者と全然雰囲気が違う奴じゃな…」


隣にいたオズワルドも首を傾げた。

「はい…そうですね…なんだか性格が軽いですね。」


グリンディアは一歩近づき、問いただした。

「お主はどこから来た?お主の主は何者じゃ?」


ジェリコの中の闇の者は、最初は渋ったものの、また雷が飛んでくる恐怖からすぐに口を開いた。

「僕は…暗い所からグリンディアさんとの因果に呼ばれてきた…主は…主は冥王様…」


「なんじゃと…?ではお主は冥界から来たのか?」


「そうです…冥界から因果をツテに現世に来ました…」


グリンディアは目を見開き、驚きに声を震わせた。

「これは…想像を遥かに超える相手じゃった…そもそも冥界なんてものが実在してたなんて…お祖母様にも報告せねば…」


オズワルドが不安げに尋ねる。

「因果って…それは何のことですか?」


グリンディアもついでに首を傾げる。

「そ…そうじゃ…ジェリコとワシに何の因果があるんじゃ?」


その問いに、ジェリコの中の闇の者は急に声を震わせ始めた。

「それは…それは…それは…僕は…僕は…グリンディアさんが好きだったんだよーーー!!」


オズワルドは驚愕のあまり叫んだ。

「ええええええ!?」


グリンディアは顔を赤くしながらも怒りに声を震わせた。

「な…なにを言っておるんじゃ…!?」


ジェリコの声はどんどん感情的になり、声量を増していく。

「本当だよおおおお…!グリンディアさんが好きだからオズワルドが妬ましかったんだよおお!!」


グリンディアはジェリコに冷静に言い放つ。

「ワシは…お主にそんな気はないから…諦めろお!」


しかし、ジェリコの中の闇の者は狂気を帯びた声を上げた。

「うわああああ。諦めたくないよおお!!もうこうなったらこの肉体をもろとも自爆してやるぞ!!」


グリンディアは焦り、さらに声を張り上げた。

「いかん…闇の者とジェリコの意識が完全に混ざり合っておかしいことになってる…!しかもこの魔力の感じ…こいつ本気で言ってる…!」


グリンディアの目が険しくなり、オズワルドは焦ったように彼女を見た。

「ええええ…ジェリコに取り憑いてるものを剥がすような魔法ってありませんか…?」


「お祖母様なら知ってるかもだけど、ワシにはわからんーーー!」


闇の者に憑依されたジェリコはさらに叫び声を上げた。

「わああもおおお!自爆してやるうう!」


オズワルドはさらに慌てた。

「あわわわ…自爆したらきっとジェリコは死んじゃうんですよね…!?」


グリンディアは苦悩の表情を浮かべながら答える。

「こうなったら…因果を消滅させるしかない…!オズ…!この前助けてくれたご褒美あげてなかったじゃろ!」


オズワルドは突然の言葉に戸惑いを隠せない。

「えっ…えっ…ここで!?」


「もうそれしかない…!オズしゃがんで!」


「は…はい!!」


オズワルドが言われた通りにしゃがむと、グリンディアは顔を真っ赤にしながらも彼を抱きしめ、勢いよく濃厚なキスをした。


ズキュウウウン!


オズワルドの頭の中が真っ白になり、心の中で叫ぶ。

(あふ…あああああふうふ…ああああ…)

彼はグリンディアのキスに完全にとろけてしまった。


その様子を見たジェリコの中の闇の者は急激に力を失っていく。

「2人は…もうこんな感じだったのね…こりゃ無理だ…」


シューーーーー。


ジェリコに取り憑いていた闇の者は力尽き、どこかへ消え去った。残されたジェリコは地面に崩れ落ちる。


グリンディアは顔を真っ赤にしながら、視線を逸らして呟いた。

「オズ…こうするしかなかったんじゃ…」


オズワルドも真っ赤になりながら答える。

「は…はひ…僕も…思わず天国に行きそうでした…」


「もう…バカ…」



その場の雰囲気は微妙なものになったが、遠くからその光景を見つめる人物がいた。


エルフィールは驚愕した表情で呟く。

「あの2人…やっぱりそういう関係だったの…?」




一方、暗い闇の世界で美しい女性が微笑みながら言った。

「うふふ…たったいま素晴らしい因果が生まれたわ♪次は私の出番ね♪」

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