魔法少女の危機!?偽りの従者と闇の接吻
オズワルドとグリンディアのクラスメイトであるジェリコは、グリンディアの従者としてオズワルドの代わりになりたいと願い続けていた。
そんな彼の執着は、次第に異常な形で膨れ上がっていった。
ある日の放課後、ジェリコは1人で帰路についていた。その途中、彼の内に潜む歪んだ執念と欲望に引き寄せられるかのように、闇の気配を纏った黒いローブの男が現れる。
そしてその男は、ジェリコの身体と精神を乗っ取り、自分の思うままに操る存在となった。
こうして闇に取り込まれたジェリコが得たのは、己の顔をオズワルドそっくりに変えるという恐ろしい能力だった。まるで彼の「オズワルドになりかわりたい」という願望そのものが具現化したかのように——。
次の日、教室の自席に座ったジェリコは、狂気じみた考えを巡らせていた。
(へへへ...オズワルドの顔になれるなんて、これでグリンディアさんに近づける...そして『あのお方』のもとに彼女を連れていくことができる...)
彼の思考は本人のままであるものの、その意志は闇に侵され、思考の一部をコントロールされていた。
(オズワルドがグリンディアさんと離れたときに...オズワルドの姿で接近してやる...!)
そのとき、教室の扉が開き、オズワルドが元気な声で挨拶をした。
「おはようございます!」
ジェリコの目が鋭く光る。
(来たな…オズワルド…!)
しかし、ジェリコが目をやった先で起きた光景は、彼の想像を超えていた。
なんと、オズワルドがグリンディアをお姫様抱っこしたまま教室に入ってきたのだ。
「みんなの前で…ワシ…恥ずかしい…」
赤面しながらも、どこか嬉しそうなグリンディアの声が教室中に響いた。
オズワルドは真剣な表情で答える。
「グリンディア様、闇の者がいつ現れるかわかりません。だから、しばらくはこのようにお守りします。」
「う…うん…わかってるけど…」
真っ赤な顔をしたグリンディアは少し呆れつつも、オズワルドの強引さを受け入れている様子だった。
それを見たジェリコの胸中は嫉妬と怒りで爆発しそうだった。
(アイツ…またグリンディアさんとベタベタしやがって…!)
その日、ジェリコは一日中二人を観察していた。しかし、授業中もランチタイムも、オズワルドはぴったりとグリンディアのそばを離れない。そしてそのまま放課後を迎えた。
(くっそー、今日は無理かもな...)
そう諦めかけた矢先、ついにチャンスが訪れた。
「すいません、少しトイレに行ってきます。少々お待ちください。」
オズワルドがそう言い残し、グリンディアから離れたのだ。
「うむ。わかった。じゃあここで待ってるよ。」
「くれぐれもお気をつけてくださいね。」
「はいはい。わかってるってば。」
グリンディアは笑顔でオズワルドを送り出したが、ジェリコの視線には、その瞬間が狙い目に映った。
(ついにチャンス到来だ!)
ジェリコは静かに物陰に隠れると、顔をオズワルドのものに変化させた。そして、笑みを浮かべながらグリンディアに近づいていく。
「グ…グリンディア様。」
振り返ったグリンディアが首を傾げる。
「ん?なんじゃオズ?もう帰ってきたの?」
「なんだか…もう大丈夫なりまして…」
グリンディアは少し不思議そうな表情を浮かべたが、特に疑う様子もなかった。
「そうか。じゃあ帰ろうか。」
(よし…バレていないぞ…!)
「その前に、二人きりでお話ししたいことがあるのです。少し場所を移動しましょう。」
「?…いいけど…なんか変なの…」
グリンディアはオズワルドの顔をしたジェリコに誘われ、足を進め始める。ジェリコの心中は歓喜に沸き立っていた。
(ついに…この時が来た!このまま『闇の接吻』でグリンディアさんを眠らせて…あの方の元へ…)
ジェリコを支配する者の歪んだ計画が、今まさに動き出そうとしていた。




