思わず赤面する少女!?従者の超過保護な護衛術
マイハーマ村から戻ったグリンディアとオズワルドは、再びオズワルドの実家で日常を取り戻そうとしていた。
しかし、その日常には緊張が伴う。グリンディアが“闇の王”の狙いを受けていることを、彼女の祖母・ピピンから聞いたオズワルドは、常に彼女を守る決意を新たにしていた。
ギョウダァ魔法学校の廊下を歩くオズワルドとグリンディア。いや、正確には、オズワルドがグリンディアを背負いながら移動していた。周囲の生徒たちがざわつき始める。
「な…なんだあの二人…?」「イチャイチャしてるのかしら…?」
囁き声が広がる中、背中のグリンディアが小さく声を漏らした。
「オズ…これはちょっと恥ずかしいよ…」
オズワルドは眉をひそめ、真剣な顔で答える。
「何を言ってるんですか、グリンディア様。闇の者が迫っているんですよ!?僕がこうしてしっかりお守りしなければ…!」
グリンディアの顔はますます赤くなったが、口答えはできなかった。
そこに現れたのは、隣のクラスの2人の友人であるフレアだった。
「お前ら…どうしたんだ?グリンディアちゃん、足でも怪我したのか…?」
オズワルドは真剣な表情を崩さないまま事情を説明した。
「実は今…大変なことになってて。こうしてグリンディア様を守ってるんだ…」
グリンディアが慌てて割り込む。
「おんぶはオ…オズが勝手にやってることで、ワシは頼んでないぞ!」
フレアは困惑した表情を浮かべながら肩をすくめた。
「そ、そうか…まあ、何かあったら相談してくれよな」
「うん、その時は頼むよ」とオズワルドが答えると、グリンディアは小さくため息をついた。
教室に到着すると、クラス内がざわつき始めた。
「おい、あの二人……なんだあれ?」「もしかして付き合ってるとか?」
クラス委員長でありオズワルドの幼馴染のエルフィールが話しかけてくる。
「オズワルド…なんでグリンディアさんを背負っているの…?」
グリンディアがすかさず抗議した。
「もう一度説明するけど、これはオズが勝手にやってることで、ワシは頼んでない!」
オズワルドは申し訳なさそうに口を開く。
「実は…やむを得ない事情があって…」
エルフィールは目を細めつつ話を切り替えた。
「そ…そうなのね…あっ、そうだ。頼みたいことがあるんだけど、放課後時間あるかしら?」
しかし、オズワルドは困った顔をして答えた。
「ごめん、エルフィール…今日はちょっと用事があって…」
エルフィールは少しだけ寂しそうな表情を浮かべたが、すぐに笑顔を作った。
「そ…そう。わかったわ。」
突然、グリンディアがもじもじしながら呟いた。
「オズ…降ろして…ワシ、ちょっと行きたいところがある…」
「どこですか?一緒に行きますよ!」
とオズワルドが言った瞬間、グリンディアの顔が真っ赤になる。
「ト…トイレじゃーーーー!」
オズワルドは一瞬で青ざめ、慌ててグリンディアを降ろした。
「ひえええ…ごめんなさい!」
廊下を小走りでトイレに向かうグリンディアは、小さくぼやいた。
「もーーーー、オズは極端なんじゃよなあ…まあ、気持ちは嬉しいけどさ…」
トイレから戻ってきたグリンディアが自分の席を見ると、オズワルドが自分の椅子とグリンディアの椅子をぴったりくっつけていた。
「オズ…これは…?」
「こうすれば、たとえ何があっても僕が身を挺してグリンディア様を守れます!」
「そ…そうか…わかった。」
赤い顔で隣に座るグリンディア。その真剣な様子に少しだけ胸がときめいてしまう自分を否定できなかった。
授業が始まり、教室に緊張感が戻る。マシュ先生が教壇に立ち、声を張り上げる。
「さあ…この問題がわかる人!」
しかし、目の前の光景に彼女の思考が一瞬停止する。
(ええええ…?あの二人は…一体何をしてるの…?授業中よ…)
教室の一番後ろの席で、オズワルドとグリンディアはピッタリと寄り添って座っている。クラスメイトたちは気づいていないようだが、教壇から見るとその様子は一目瞭然だった。
(オズワルド君…普段はとても真面目な授業態度なのに…ひょ…ひょっとして授業中にもイチャイチャしたいのかしら…)
マシュ先生は困惑しつつも、何とか授業を進めるしかなかった。
そしてその様子を朝から見つめていた、ある生徒がいた。
「くそくそくそくそ…あいつめ、あいつめ…その場所を自分と変われ…」
その声の主は、拳をぎゅっと握りしめ、オズワルドとグリンディアの仲睦まじい様子を羨望と嫉妬の入り混じった目で見つめていた。
その胸の内には、焦燥と嫉妬が渦巻いていた。




