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第8話 明日にしてもらえるかな?

「ほら、行くぞ!早く服を着ろ。みんな待ってるんだから。」


後ろを向いて制服を脱ぎながら由香里に促すと、背中に抱きつかれてしまった。

胸を押し付けられながら、


「後で、ゆっくりと、慰めてあげるんだからね?」


「ん、明日にしてもらえるかな?」


さっきまで沙友理さんに慰めてもらっていなかったら、この場で押し倒していたかもしれない。

返事の代わりに唇を重ねてきた由香里が、首を傾げながら、


「あれ?もしかして………………」


「……………………どうした?」


「沙友理さんに、慰めてもらってたんだよね?」


「……………………そうだけど?」


「おかしいな〜?克也の『全身から』沙友理さんの香りがするんだけどっ!」


「……………………そんな事は……………どんな香りなのかな?」


「克也?貴方、嘘つくのが下手なんだから、後でいいから正直に教えてね!さあっ、行きましょうか!」


ベッド脇に脱ぎ散らかされた下着をスルスルと着込みながらニコニコ顔の由香里の顔を見ながら、唖然としてしまう。

多分、全部、バレてる?

沙友理さんの予想は、正しかったようだ。


仕方ない、今考えても何も出来ないしな。

強く追求されてないんだから、後で考えよう。


由香里から伸ばされた手を取り、恋人繋ぎをしながら階段を降りる。


「あら〜、仲がよろしくて良いわね〜?」


「あら〜、お母様〜、ありがとうございます。」


中庭に通じる通路側の出入口から入ってきた母に、


「由香里ちゃん、いつお嫁に来てくれるのかしら?」


「あら〜、お母様、先日、正式にお断り致しましてよ?」


母さん……………………僕がプロポーズを断られたのを知ってるくせに、何度、この遣り取りを聞いただろうか?

既に、様式美になってるんじゃ無いかな。


「克也、残念だったわね。私は手を洗ったら直ぐに行くわ。」


「母さん、すみませんがお願いします。」


手を繋いだまま移動中に、由香里が、


「………………………克也?ところで、寺本さんには連絡したのかな?」


「っあっ!忘れてた!電話だけしてすぐ行くから、先に行ってて!」


「ん〜、もう、しょうがないなぁ、私が付いてないと、駄目なんだから〜」


大急ぎで部屋へ戻り、寺本さんに電話を。

ワンコールで繋がり、


「寺本さん、連絡が遅くなり申し訳ありません。……………………はい、お察しの通り、不合格でした……………………はい、明日、由香里と一緒にお伺いします……………………」


階段を降りると、リビングの前で由香里が待ち構えていた。


「どうだった?何か有ったの?」


「寺本さんが、明日午前中に由香里と一緒に『店』に来てほしいって。」


「ん、わかった。後で詳しく教えてね。さあ、みんな待ってるわよ!」

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