ことばあそび
言葉あそびです。こういうことは最初にやったものが、絶対に有利です。作品の質以外の部分でですが。
「あいしてる」 いまは、わすれて うつろなる えがおにもにた おみなえしかな
「愛してる」 いまは、忘れて 虚ろなる 笑顔にも似た 女郎花かな
かなしきは きづくまもなく くちてゆく けしきのなかの こどものきおく
哀しきは 気づく間もなく 朽ちてゆく 景色の中の こどもの記憶
さおとめは しずごころあり すずやかに せをそらしみる そらはあかねに
早乙女は 静心あり 涼やかに 背をそらしみる 空は茜に
ただいま、と ちいさきせのべ つたえきて てのつみばなを とどけし、わがこ
ただいま、と 小さき背伸べ 伝えきて 手の摘み花を 届けし、わが子
なかなおり にこにこわらう ぬくもりを ねがえど、いまも のぞみかなわず
仲直り にこにこ笑う 温もりを 願えど、いまも 望み叶わず
はなれゆき ひさかたとなる ふるさとは へだたればこそ ほのぼのおもわる
離れ行き 久方となる 故郷は 隔たればこそ ほのぼの思わる
まちびとの みえなば、いまは むなしけれ めにするけしき もののすべてが
待ち人の みえなば、いまは 虚しけれ 目にする景色 もののすべてが
やくそくは いまも、なごりの ゆらめきて えにしをしのぶ よもすがらさえ
約束は いまも、名残りの ゆらめきて 縁を偲ぶ 夜もすがらさえ
らくじつの りょうりょうとして るしゃは、いま れいろうのみね ろうろうとよむ
落日の 寥寥として 流者は、いま 玲瓏の峰 朗々と詠む