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「トウヤさん着きましたよー」
「はぁああああああああああ。やっと着いたー。王国の入口って聞いてからどんだけあるいたんだよ。マジで足がもうフラフラだったぜ」
ここまで来るのにほとんど足場も悪い中でさらにほとんど昇り続けるという山道に心の準備が出来ていない俺はへとへとになるまで疲れた。
「トウヤさんお疲れ様ですねー。やっぱり途中からアキさんにおぶってもらえば良かったじゃないですかー」
「さすがに女の子におぶられるのは俺も出来るだけされたくないって」
「そんなこと言ってー。それにすでに一度担がれていますから一回されれば二回も三回も変わりませんよー。それに力持ちのアキさんは気にしませんよー」
ミヨに評価されているアキの表情は微妙そうだ。
「それよりも案内してよ! それにここまだ外でしょ!」
そう。ついたと言ってもまだ目の前にそびえ立つように立っている門の外なのだ。
門の大きさは俺の背を数十倍ほどの高さで作られており、素材は木で出来ていると思うがミヨが触ると痒くなるからやめた方がいいですよー。とまぁえげつない話をフランクに伝えられたばかりである。
「こっち」
アキが石像どかすとその下には階段が用意されていた。
「本当に嘘みてぇだな」
「さて、ここからは暗いので足元に気をつけて下さいねー」
ミヨを先頭に階段を降り始めると、両手に光の玉のような灯りを創り出し足元を照らしてくれる。
「そういえば石像は元に戻さなくていいのか?」
「はいー。あれは自動で戻りますのでー」
そのまま人が進めるぐらいの狭い地下通路を歩いていき、外に出るための階段を上り外にでる。
「はぁー。ここが目的地かー」
俺は周辺を見渡して思ったのか自然が作りだした家たち。
ほとんどがツリーハウスで大木の上に住居を作り出していた。すでに時間が遅いのか灯りはまばらに灯っており静かである。
「王国は下が基本大通りで居住区は木の上なんですよー」
「この見慣れない光景に俺は今も驚いているよ」
「そうですかー。でもこれからトウヤさんはここで住むのでいずれ慣れますよー」
「え⁉ マジで⁉ そうするとミヨもご近所さんになるのかな」
「みぃはー、現在王城に住んでいるのでトウヤさんとはご近所さんになれませんよー」
「え⁉ 王城ってことは、ミヨは偉い人なのか⁉
「ふっふっふ。バレてしまいましたかー! といってもみぃは警護で出入りしているだけなので、特別偉くはないですよー」
「あー、やっぱそうだよな」
「何ですか―、みぃはムカつきましたので一発殴らせてくれませんかー」
「ごめんって! 気をつけるよ」
暴れるミヨの額を押さえながら取り繕うように謝る。
「それにしてもなんであんな地下通路を通って来たんだ」
壁の間には開閉できそうな重厚な門もあった。開閉は大変かもしれないが使わせてもらえればもっと楽だだろうし。
「あの門は大群で移動するときだけ使う。使わない時は強力な防御魔法がかけられていて簡単には入れないようになってる」
「なるほど。それであの入り口ってことか」
「そうですよー。さてー。トウヤさんとはここで今日はお別れですねー」
「そうか、それなら今日はありがとうな! ミヨには本当に感謝しているよ」
「その感謝は素直に受け取っておきますねー。それと、今日はアキさんにこの後のことは任せているのでー。それではおやすみなさいー」
ミヨはそう言い残してスタスタとどこかに行ってしまい見えなくなった。
「そうしたらアキがこの後は案内してくれるのか?」
「うん。ついて来て」
歩く事数十分アキの案内で家に連れて行ってもらっているのだが、先ほどのツリーハウスの所からかなり離れている小屋であった。
小屋の周辺はほとんど誰も住んでおらず、足音が良く聞こえるぐらい静かだった。
「ここが私の家」
中に入るとすぐにアキは明かりを灯し、部屋に光が灯る。
見た感じでは女子の部屋というよりも必要な物が揃った部屋という感じがした。
「アキはなんでこの場所に住んでいるんだ。さっき見た木の上で暮らしたりはしないのか」
「高いところと人が多く住むとことが苦手。だからティターニア様にこの場所を用意してもらった」
「なるほどなー。で、そのティターニア様ってだれだ?」
「雇い主」
短く説明を終えるとアキは部屋を片付け始め何やら準備を始めた。俺はその行動を茫然と眺めていると、俺の方を見たアキの目が合う。
「こういうところは嫌い?」
「いや、むしろ好きだ。俺も出来るだけ静かなところが好きだし、アキとは気が合いそうだな」
「そう。それはよかった」
あまり表情を変えないアキだが少しだけ頬が赤く染まっているように見えた。
「そうしたら、トウヤは水浴びに行ってきてほしいから案内する」
「え? でもそんなに汚れていないし臭くもないような」
俺は右腕を近づけてスンと鼻を鳴らして匂いを嗅いだがそれ程臭さは感じないが、アキに投げつけられたタオルを受け取る。
「そんなことはない。臭い。だから行ってきて」
「分かったけど、そんなにストレートに言うなよ。傷つくだろ」
案内されている時も何度か臭いを気にする俺だった。
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