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いざ伯爵家へ

 それからの1週間は大したことも無く日々を過ごしていた。


 アーウィン男爵家では3食のご飯を食べ、リーナからは手紙が届き、手紙をジークさんの代筆で返し、図書館に行って文字の勉強をする、などといったことをしていた。


「フェリスちゃん、少しの別れでも寂しいわ……」


「私も、です」


 そして現在。私はアーウェン男爵領の門の前にいる。朝で冷え込むなか、馬車を横に侍らせながらアリアさんとの別れを惜しんでいる。


 これから向かうのはヒューイのいる伯爵家だ。正しく言えばオーダム伯爵家。

 馬車に乗って2週間ほどの旅路に出る。方角でいえば以前住んでいた森へ引き返す形だ。


「私も少ししたら王都に行くのよ。オーダム伯爵家には通りがかると思うから、その時にまた会いましょう?」


「はいっ」


 そう言ってギュッと抱きしめ合う。


(あったかい……こんなの、少し前じゃあ考えられないなぁ……)


 長めにハグをした後にそれを解くと、かすかに残っている温もりが恋しく感じた。

 良い方向へ自分が変化している気がする。

 

 アリアさんも少し困ったような笑顔を浮かべたあと、私の横へと視線を移す。


「それじゃあ、2人のことをよろしくね、オリビア。」


「はい。お任せください。」


 実は、今回の旅にはオリビアさんも着いてくる。伯爵家にアーウェン男爵家の手紙を送るためだそうだ。


「ジークも、フェリスちゃんの事をしっかり見るのよ。」


「もちろんです。」


 アリアさんの言葉にジークさんが強く頷く。


 今回の旅でいるメンバーは私とジークさん、オリビアさんの3人だ。


「それじゃあ……行ってらっしゃい。」


 アリアさんともう一度抱擁を交わす。


「また今度。」


 ニコリと笑う。そして馬車へと乗り込んだ。


 アーウェン男爵領での日々も良かったが、これから起こるであろう出来事も楽しみだ。





 カタカタと馬車が音を鳴らしながら動く。


「あと何分?」


「あと1週間だ。」


 ゴトっと岩にぶつかったのか馬車が揺れる。


「あと何分?」


「あと3日よ。」


 ガタガタと砂利見にでも入ったのか馬車がきしむ。


「あと何分?」


「あと半日だ。」


「………もう少しだからね。」


「……うん。」


 アーウェン男爵領を出てから2週間が経った。

 急な天候の変化や魔物の出現などといった事など、特に何事もなく順調に旅路は進む。


 そう、何事もなくだ。


「………」


「…」


「………えっと、後どのくらい、だっけ?」


「あと5時間くらいか」


「うん。ありが、とう……」


 ジークさんはマイペースな性格で口数も多い方ではない。オリビアさんも話しかければ答えてくれるが、口数は多い方ではない。私は緊張などといった感情はないが、口数はあまり多い方ではない。


 その3人が集った結果、ここ2週間はほとんど無言のままで過ごしていた。


(気まずい……もっと本を読んでればよかった)


 アーウェン男爵領に滞在している時は、よく図書館へ文字の勉強をしにいっていた。もしそこで勉強以外の目的で本を読んでいれば何か話題が考えられたかもしれない。

 今更悔やんでも意味は無いが。


 一応食事の時は多少話はしている。だが、その話も弾むことはあまりなく、すぐに終わってしまう。


 その結果、今回の旅の中でこちらを気にかけてくれるに御者の人と異様に仲良くなった。


 今ほどバズーカートークをするキャニーさんが恋しい時はない。


 2週間もあれば、無言の状態にも慣れてくるが、あまりにも退屈な時にはつい、同じ質問をしてしまう。


「あと何分?」


「あと3時間くらいかな。」


「そっか……」


「……」


 またもや無言になる。何か喋って欲しいとオリビアさんを見ていると、ひとつのことを思い出した。


 オリビアさんの今回の目的として、手紙を送り届けることだ。

 だが、ただの手紙であれば、運送をしている商人にでも任せれば良い。

 それなのに騎士であるオリビアさんがわざわざ出向くのは何故なのであろうか。


「あの、オリビアさん。」


「どうしたの?」


「えっと、オリビアさんが届ける手紙。騎士のオリビアさんが届けるの、わざわざ、何のために?」


「えっとね、最近隣国が大規模な軍事力強化をしているの。それで………あっ」


「それで?」


「えっと、秘密……」


「………うん。」


(そこで止める!?)


 心の中で盛大にツッコム。だが、だいたいの予想はついた。


 国境を守備しているアーウェン男爵領。その目の前にある隣国では軍事力強化。


 おおかた、国境守備の強化のために血の繋がりがある伯爵家にツテを頼って兵力を分けてもらうんだろう。


 以前聞いたところ、伯爵家は王都に程なく近いため、革命の時にアーウェン男爵家の騎士たちの駐屯地として協力していたらしい。


 その時に男爵家程ではないが、領内の兵力を整備拡大したそうだ。


 それにしても、また無言になってしまった。


「……あと何分?」


「あと1時間もしないだろうな。」


「オーダム伯爵領特有の木々が見えてきたわ。あと少しね。」


「ほっほんとっ!?」


 しかし、その旅もやっと終わる!


 早く時間が過ぎてくれと私は願った。

おっちょこちょいなオリビア笑。


 それとは別の話ですがこれからの2週間後に学校のテストがあるので、休憩の時などに描き進めると思うので投稿は致しますが、頻度は落ちると思います。


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