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【書籍化】完結&番外編更新中 宇宙戦争掲示板ー1人なんかおかしいのがいるけどー  作者: 福郎


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博物館 特務艦隊

私『続きまして第一艦隊のコーナーですが、頭が痛くなる存在ですので、ふわっと聞いていただきたいです』


私『第一艦隊。通称、特務艦隊と呼ばれる存在は大きく分けて二つの時期に分類できます。一つは大敗走時代。もう一つは反抗時代。両者共に根っこは同じですが、色々と差異があります。特に大敗走時代は、皆さんの出身惑星、メルと大きく関わりがあるので、詳しいかと思います』


『学校でよく聞かされたわ』

『ああ』

『ねー』

A『うん』


私『そうでしょうね。あの地は全ての始まりだと言っていい……おほん。第一艦隊の前身は、メル出身の民兵を中心にしたレジスタンス。メルの現地軍と周辺惑星の残存戦力。更には合流した数多の避難船団です。この時点でツッコミどころが満載でしょう?』


私『なぜ正規の軍人を差し置いて、レジスタンスのリーダーだった男、後の特務大尉がメル星防衛後に戦力を再編できたのか。なぜ軍人から反対意見が出なかったのか。なぜ地獄のような各地の戦場を戦い抜けたのか。答えは単純。特務大尉が異常過ぎたからです』


『やっぱやべーんだなって』


私『とある記者が提供してくれた当時の写真をご覧ください。レーションを食べている民間人。武器を磨いている兵士。機動兵器を整備している整備員。緊張はしていますが、今日明日に死ぬという悲壮感は感じないでしょう? 戦略的価値がほぼない辺境惑星に派遣されたガル星人戦力とはいえ、人類勢力を圧倒していました。それなのに特務大尉率いる寄せ集め艦隊は、辺境でガル星人を殴り続けました』


私『あらゆる惑星が陥落している真っただ中で、どうやったら負けるか分からない程の、絶対に勝ち続ける存在。その光は異常なまでの求心力を発揮して、寄せ集めを纏め上げると、一つの艦隊になりました。これが第一艦隊の前身ですね』


『なんか改めて聞くと、無茶苦茶だよな』


私『仰る通り。所属はバラバラ。軍の階級は臨時が連発。一人二役は当たり前。マール大学の教授陣が兵器の調整をしたり、工場の人間が武器を整備、町医者が軍医になる言葉通り寄せ集めです』


私『さて、第二部と参りましょうか。反抗時代においては英雄が率いるに相応しい第一艦隊が正式に編成され、戦いを潜り抜けた寄せ集め艦隊時代の人員も、数多く在籍することになります』


私『ちなみに特務大尉と地獄の戦場を潜り抜けた兵もそのままですから、余所からやって来た兵などは、地元じゃ精鋭。ここじゃ新兵と言ってしまうほど、練度に差があったようです。とは言え彼らの名誉のために補足しておくと、寄せ集め艦隊の経験が常軌を逸しているだけで、後から編成された兵士達も普通に精鋭ですよ』


私『中身を見ると、事実上の旗艦・リヴァイアサン。駆逐艦から戦艦、空母に至るまで大小様々な艦と船員。経験豊富な兵士と加わった正規の軍人。多数の戦車に航空機。人型機動兵器部隊や、極稀に加わる人型兵器教導隊。それを整備する人員に、バードやバハムートを整備する専門チーム。膨大な人員と兵器を支える充足した補給体制。そしてなにより特務大尉。これらを有する第一艦隊は言葉通りの無敵艦隊と化し、ガル星人勢力を最前線で駆逐し続けました』

メモ・私の支援に加え、強化兵中隊を含めた様々な特殊部隊や秘密部隊も所属。完全に闇鍋。


私『はっきり断言しましょう。少なくともこの当時の第一艦隊に勝利できる戦力は宇宙に存在しません。あらゆる星々で戦い、あらゆる環境を渡り抜き、あらゆる勝利を重ねてきた、まさに人類が誇る最高の戦闘集団なのです。構成員が、第一年中戦えます艦隊と自称することが多々あるものの、それ即ち、特務大尉の指揮下で常時戦える最精鋭を意味しています』


私『最終的に特務大尉のM.I.Aと戦争終結に伴い、名実共に特務艦隊だった第一艦隊は事実上解散。しかし再び編成されても、最精鋭の即応部隊という性質は現在も変わっておらず、その練度を維持しています』


『やっぱ皆が凄かったんだなー。うん? これなんだ?』


私『ああ、時期を問わず第一艦隊に所属していた人員の名簿データですね。皆さんはメル出身ですから、知り合いの方がヒットするかもしれません』


『なるほどなあ。案内の言う通り誰か身内が出るんじゃね?』

『可能性はあるな』

『ホントだー。知り合いのおじさんが出た。嘘じゃなかったんだー。あ、階級とか戦歴、功績も載ってる!』

A『えーっと……やっぱり出てこないかあ』

メモ・出たら大事なんだよなあ。


私『では続きまして、寄せ集め艦隊内においてすら最精鋭中の最精鋭。第一中隊とその中核、例の軍曹を筆頭とした夜明けを齎した者達です。尤もまあ、構成員が基本的に民間人ですので、軍曹以外はあまり詳しく語れませんが、半数くらいは皆さんの地元メル出身のため、ひょっとしたら知っているかもしれませんね』

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― 新着の感想 ―
大尉の行動力からすると、率いるとか指揮するとかじゃなく大尉の後詰が任務みたいなもんだったよな。なにせ命令は「いくぞ」だからな…
孫ちゃんw 特務として存在してたから、おじいちゃんは居ないことになってるんスよ でも闇鍋奉行だからw
孫よ、お前の爺ちゃんの戦歴でたらヤバいんじゃよ
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