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【書籍化】完結&番外編更新中 宇宙戦争掲示板ー1人なんかおかしいのがいるけどー  作者: 福郎


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【戦後】とある修学旅行生と、博物館案内AIの音声ログ

タグ“最重要人物・孫娘”A『わあ! 見て見て! リヴァイアサンだよ!』


『おお、すっげえ!』


『あれが人類連合軍宇宙艦隊総旗艦かあ』


『ひょっとしたらセンターに到着するときに見れるかもと思ったけどラッキーだったな』


『なあケビン、お前の父ちゃん議員だろ? リヴァイアサンの中を覗けるように頼めたりしないか?』


『馬鹿言え。メルの議員なんてセンターじゃ豆粒みたいなもんだ』


A『リヴァイアサンに関われる人なんてメルにいないよ』


『分かんねえぞ。誰かとんでもない人脈を持ってるかもしれねえ』


『それより降りる準備をしよう』


A『センターかあ。やっぱり凄い都会なんだろうなあ』



『ひ、人が多すぎるわね』


A『ねー。メルとは大違い』


『では皆さん、荷物を預けた後に戦争博物館へ行きますが、修学旅行は遊びじゃないことを肝に銘じてください』


A『はい先生』



私『本日、この班の戦争博物館案内を担当する博物館AI、端末番号一です。一とでも呼んでください。班長さんは必ず、絶対に端末を肌身離さず持ってくださいね。トイレに置き忘れるということがよくあるので、気を付けてください』


A『は、はい』


『博物館に案内AIの端末が幾つもあるとかすげえよな』


『予算が潤沢なんだろう』


『ねー』


私『流石に入場者全員は無理なので、基本的には皆さんのような修学旅行の学生用です。ではまず初めに、避難経路を説明するので端末の画面をご覧ください。特に班長さんは頭に叩き込んでくださいね。皆さんは学生ですから、なにかあれば親御さんたちや親族の方が心配するので、こういったことは大事ですよ。本当に』


A『分かりました』


タグ私『地震や突発的な事故が起こった場合、戦車か小型船の中にでも逃げ込んでください。実物ですので建物が崩落しても何とかなります。最悪を突き抜けた場合は……起こらないことを祈りましょう』


A『最悪を突き抜けた?』


タグ私『未確認の敵生命体による奇襲攻撃、並びにセンター陥落。そして人類滅亡。と言ったところでしょうか』


『いや、それは流石に』


『いきなりセンター陥落は急すぎるかなーって』


私『おや、戦争前は宇宙人が攻めてくることもないと思われてましたよ? 宇宙人はいない。いても我々より劣っていなければならない。これが当時の常識でした』


『……』


私『では改めて。貴方達が生まれる前に訪れた死、破壊、滅び。それらに抗い、死に物狂いで押しのけ、そして勝利した記録の場、戦争博物館へようこそ』



私『まずは……』


おい馬鹿止めろ、死人が出る『戦争博物館へようこそ。こちら入隊のパンフレットになりますので、帰りにゆっくり見てください』


『あ、ありがとうございます』


『どうも』


A『は、はい』


私『……軍が全面協力している場所ですから、最初の展示は入隊案内とか言われることもありますね。まあ、これに関してはご家族とよく話し合ってください。としか言いようがありません』


A『なるほどー』


『あ、おいあれ! あの奥にある足みたいなのってひょっとして!』


私『有名ですから知ってますよね。戦争中に鹵獲したガル星人の多脚戦車、カブトムシのものになります』


『確か登れるんですよね?』


私『はい、体験できますよ。修学旅行生は優先してくれるので、待つ必要はないでしょう。あそこに到着すればチャレンジしてみては?』


A『特務大尉はあれに登れたんだ……本当かなあ?』


私『ええ、はい。疑わしいですが本当ですよ』



私『おっほん。まともに案内をしていると日が暮れるどころの話ではないので、大事なところだけの案内になります。俗に言う学生コースですね。まずは宇宙船関連、特にリヴァイアサンが目玉のコーナーになります』


『おおお! 模型がいっぱいだ!』


『男の子ってああいうのが好きだよね』


A『うちのお爺ちゃんも古い車の模型が好きなんだ』


私『正式には、そう、正式には人類連合軍宇宙艦隊総旗艦、リヴァイアサン。元はガル星人の兵器を鹵獲して運用。全長9㎞。どこか海洋生物を思わせるデザイン。口を模したかのような主砲と、全体を覆うバリアは強力無比の一言で、今現在も人類の科学力では再現不可能。単独で人類連合軍の全宇宙艦隊を相手取れる、まさに至宝です』


A『非公式があるんですか?』


私『特務艦隊旗艦。特務の愛車。そんなところです』


A『愛車って……これをです?』


私『ガレージにでも入れるつもりだったんでしょう』


A『あはは。少なくともうちじゃ無理だなー』


私『そうでしょうとも』


『中はどんな感じなんだ?』


私『最高機密中の最高機密ですよ。軽率な人間は関わることすら……まあ、うん……関わることすら出来ません。はい。本当ですよ? ですので中の情報が漏れることはありません』


『やっぱり中の人も凄いんだな』


私『戦時中から今現在まで艦橋、陸戦隊、その他全ての部署が全人類から選び抜かれた人材ばかりです。なにかの拍子で彼らが全滅すると、人類にとって大打撃になるようなレベルの話です。想定されている運用は基本的にセンターの防衛ですが、その中にはガル星人主力艦隊レベルの戦力を殲滅後、陸戦による周辺惑星の制圧も含まれています。後者に関しては名高い第一主力艦隊、通称特務艦隊の役割をそのまま引き継いだ形ですね』


『これに乗った特務大尉が、その人員と艦隊を率いて戦ってたのか……』


私『むだn。おほん。そうです』


A『なにか言いました?』


私『いえ? さて、次に行きましょうか次に。次は……元帥かあ』

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― 新着の感想 ―
貴方達が生まれる前に訪れた死、〜この言い回し大好きです! 「おい馬鹿止めろ、死人が出る」さんは教官たちに恨まれてもろて。
一番さんはお孫ちゃんのこと認識してるんですねやっぱりw
そういえば、一、と書いて、はじめ、と読むお名前の方、いたなぁ。 それはともかく、孫娘ちゃん、お爺ちゃんのやらかし・・・もとい、活躍の数々を見ていってね。
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