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【あったかもしれないし、なかったかもしれない三十年後のお話】とある記者が入手した特務大尉取り扱いマニュアル&作成した戦後のインタビュー集

ご連絡。他所で限定先行公開してましたが、最後、本当にちょっとだけ付け足してますので、もう見てるよという方も一番下をどうぞ。

センター警備部の端末に張り付けられていた紙切れ。


特務大尉。本名は不明。

そのまま特務大尉、もしくは特務で通用するため、必要な時はそう呼称すること。


必ず三人の連絡員が同行すること。《修正済み》

必ず五人の連絡員が同行すること。《修正済み》

必ず十人の連絡員が同行すること。《修正済み》

出来る限り連絡員が同行すること。《修正済み》

最低限、現在地が分かるように努めましょう。


センターでの護衛。

必ず大隊以上の護衛を派遣すること。《修正済み》

必ず中隊以上の護衛を派遣すること。《修正済み》

必要があれば護衛を派遣します。


一人で行動しようとするときは脱走の兆候である。

緊急時は作戦本部直通の連絡手段を用いること。



センター広報部のデスクに収納されていた取扱書。


個人情報は絶対に話しません。

じっとしないから最低限度のメイクを施しましょう。(要努力)

台本は基本的に覚えられません。拒否しているという訳ではない。単純に覚えられない。恐らく普段自分が言わない台詞を忘れるタイプ。

不愛想なのではなく天然なので、ある程度のリクエストには応えてくれます。ある程度。

勝負は十数分。それ以上はいなくなる。

緊急時は作戦本部直通の連絡手段を用いること。


走り書き・子供か。


技術部&新兵器開発部で埃を被っていたメモ。


相手は英雄です。失礼が無いようにしましょう。《修正済み》

特務大尉の安全を第一に考えましょう。《修正済み》

技術的な質問に対しては、可能な限り分かりやすく答えしましょう。《修正済み》


マジのガチでヤバイ場合は元帥に丸投げしましょう。





インタビュー


市民

『え? 特務大尉ですか? そりゃあ英雄の中の英雄ですよ。テレビで話を聞かない日はありませんでしたし、戦争に勝てたのもあの人のおかげじゃないですか』

メモ・仰る通り。それだけは揺るがない。他はまあ……。


市民の子供

『僕、大きくなったら特務大尉になる!』

メモ・それはやめておいた方がいいぞ!


市民の子供

『私、特務大尉のお嫁さんになる!』

メモ・欠片も結婚生活が想像できないとか凄いわ。



新兵

『一度だけでもお会いしたかったです』

メモ・軽い気持ちで会うと色々壊れたぞ。


軍人

『その、凄い人でした』

メモ・ああ、間違いなく戦場で会ったことがあるな。


軍人

『初手フル装備フルマラソンはきつかったあ……』

メモ・話は色々と聞いてます……。


兵站部

『間違いなく私達にとっての英雄ですよ。一時期の我々は登山家になりましたけど』

メモ・始末書の山かあ。


技術部

『戦争が終わったんですから、お土産が無いのはいいことなんでしょうね。まあ、我々はやりきったぞという前にM.I.Aになったのは、あの人らしいですわ』

メモ・仰る通り。


新兵器開発部

『バハムートを博物館に展示しようと思いましてね。特務に関することはなにもかも消えちゃいましたが、あれは揺るがない証拠ですから』

メモ・自分の記録も全部消し飛びました。


元帥

『偉大な部下だった』

メモ・ご苦労様です


≪愉快な仲間とのファイル≫


ギャンブラー

『人生の大博打に勝ったヤバイ奴。試しにやったババ抜きで死ぬほど弱かったのはもう言っていいだろ。どれだけかって? 絶対に手元にババが残り続けてた』

メモ・おい、俺それに参加してないぞ。


セールスマン

『太客中の太客。戦闘服から重火器まで、お買い上げありがとうございました! 法に触れてないか? ……今のなし。削除よろしく』

メモ・はいはい。


自称元軍曹

『俺なんかが表現出来る人じゃない。ところで俺の名前、自称元軍曹とかにしてないよな? え? 俺達にとって軍曹はずっと軍曹だよと言った筈? だから卒業式みたいなこと言うな!』

メモ・それでも……それでも軍曹は軍曹なんだ!


走り書き。他の愉快なお友達はほぼメルか……会いに行くか。


小麦農家

『相変わらずフットワークが軽すぎじゃ。直接話を聞くかと思って、センターからメルに来るか普通? リーダーについて? 成すべきと思い定めたことを成し遂げた。それしか言えることはない』

メモ・人類の存続と勝利は、思い定めたと表現できる範疇なのかねえ?


教師

『さて、教科書がなんと語るかは大いに興味がありますね。完全無欠の大英雄、特務大尉を教える時は、笑わないように気を付けないと』

メモ・笑い過ぎからの過呼吸起こして倒れる自信がある。





??????????????????????????



「いらっしゃいませー」


「……え?」


「どうされました?」


「い、いえ。その……本当に大した考えもなく、パンを食べようかなーと思って入っただけで……」


「ちょうど焼きたてがありますから見繕いましょう」


「お、お願いします」


「なにかのお仕事中ですか?」


「記者ですので色々と、その……戦後のインタビューを……市民から軍とかも……」


「なるほど。では一市民の寄せ書きをお願いします」


「わ、分かりました」



市民の寄せ書き

『軍人さんありがとう!』

『故郷に戻れました!』

『お母さんが昔、軍にいたって話してました!』

『輸送船にいました。またいつか会いましょう!』

『ご苦労様でした!』

『元警察です。治安維持ではご協力ありがとうございました』

『当時はテレビ局の下っ端でしたが、軍と関われたのは光栄でした!』

『戦時中は武器作ってました。皆さん、本当にありがとうございました』


『関わってくれた全ての人々に感謝を』

もし面白いと思ってくださったら、下の☆で評価していただけると作者が泣いて喜びます!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
記者さん、戦役後勤めてた会社どうなっとんやろなぁ······ その「セールスマン」結構がっつりアポとる必要がありませんでした? まぁ退役してそうだけど元帥閣下にアポとれてるしそれでもいけるか 宇宙…
そら記者さん驚くわ まさかの接客用語話せるとか思って無かっただろうしww
インタビュー受けてる人達は、記者も実は英雄の一人だとは思ってないだろうね
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