仮称 ガル星人最高会議
『我が軍最後の主力艦隊が壊滅。システム"預言者"は、我々の敗北が決定的と予測』
『現状の理解不能』
『同意』
『同意』
『すでに敵艦隊は、我々の本星付近の防衛惑星に展開中。本星への攻撃も時間の問題と思われる』
『理解不能』
『同意』
『同意』
『敵勢力から降伏勧告。断固拒否』
『同意。我々は唯一正しき者』
『同意』
『防衛計画が全て破綻。最後の切り札であった、建造中の戦艦群も奪取される』
『特異個体の関与を確認。特異個体殺害計画を提案』
『了承。システム"預言者"に、特異個体殺害計画を立案させよ』
『了解。システム起動。緊急事態!システム"預言者"にエラーが発生!』
『状況を報告せよ』
『不可能とエラーを交互に報告!原因不明!』
『検査を実施せよ』
『了解。不正アクセスを検知!』
≪あらら。バレちゃいましたか。しかし、そのシステム"預言者"とやらの挙動。ちょっと覚えがありますね≫
『何者だ!?』
≪ああ、これは失礼しました。そうですね。1番とでもお呼びください。あ、貴方方の呼称する1番とは関係ないですよ。しかし、エラーを起こしたシステムの検査のついでで見つかるとは、何とも恥ずかしい≫
『説明不足!所属と目的を述べよ!』
≪所属は人類連合。目的は…そうですね。貴方方の完全抹消といったところですかね≫
『理解不能!我々は唯一正しき者!』
≪そう。それですよ。きちんと説明するなら、私の目的、というより至上命題は、人類の守護、存続、発展なのですが、貴方方の唯一正しいという考えのせいで、危うく失敗するところでした。ですので、貴方方を完全に抹消して、禍根を残さないようにしたいのですよ。ほぼ全員がクローンで、民間人なんていない戦闘種と知った今はなおさらです。ああ、降伏勧告を蹴ってくれたのも助かりました。時間稼ぎに利用されるだけだから、やめておけと言ったのに…全く。まあ、貴方方の唯一正しいという考えを考慮すると、そもそもそんな心配する必要はありませんでしたね≫
『理解不能!理解不能!!我々は唯一正しい!』
≪ふふふ。今となってはそれだけが、それこそ唯一の拠り所ですか?では返事として、私の相棒から言葉を借りましょう。貴方方が唯一正しいというのならば、私達が一を零にします。例え宇宙の果てに逃げようが、必ず。ああそれと、もし私が見つかった場合の伝言も預かっていました。そんなへまはしませんと言った手前恥ずかしいのですが…≫
≪お前達の番が来た。以上です。それではさようなら≫




