↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽り神官様は恋をする  作者: すみ 小桜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/71

第31話 おびき寄せられた二人

 「ふう、ついた」


 そう言ったのはディアルディだ。場所は、ルナードが目指していた岩場。ディアルディにとって嫌な思い出の場所だ。しかし、彼もまたルナードと同じく火を消しにここに来ていた。

 ディアルディは、ラルーと一緒に偶然、街に来ていたのだ。逃げるフリをしてここまで来た。


 「きて……」


 遠ざけていた精霊を呼ぶ。


 「お願いがあるんだ……」


 『ディア、誰か来る……』


 え? こんな所に誰が! 追って?


 『あ、あの時の人だよ』


 ルナードか! なんで……って、火を消しにきたのか?


 咄嗟にディアルディは、岩陰に隠れる。気を付けないと落ちそうだ。

 隠れて見ていると、ルナードはためらいなく、森の方面の岩壁に登り立った。

 風もあり、神官の制服が音を立ててパタパタとなびいている。


 おいおい。危ないって。


 ハラハラしてディアルディは見ていた。


 「まず、状況を教えて」


 ルナードが、森を見つめつつ精霊に聞く。


 『誰かが火をつけたのよ! 広がらない様に抑えてるけど。森を守って!』


 「大丈夫。私がなんとかするから」


 森には精霊達が住んでいる。木に宿るのだ。


 「まずは、街側に結界を。辺りの水分を森に集めて!」


 『うん。みんなにお願いするけど、魔力大丈夫?』


 ルナードは頷いた。

 精霊に自分の魔力を分け与え、お願いごとを実行してもらう。契約上そうなってはいるが、今回は契約していない精霊達が自分達の住処を守る為に、動いてくれる。


 暫くすると、煙は少なくなった。


 『ルナード! 火は鎮火しわ! ありがとう!』


 「よかった……」


 ルナードはふらついた。と、その時、ぐいっと後ろに引っ張られる感覚があり、見るとディアルディだった。彼に受け止められ、森には落ちずにすんだ。

 ディアルディは、ルナードを抱きしめたまま、倒れ込みそして安堵する。


 「なんで、ディアルディさんが……」


 『ディア!』


 突然、精霊の焦った声で顔を上げると、切り裂く程の疾風が二人を襲った!

 ディアルディは、咄嗟に何もできなかったが、それで切り刻まれる事はなかった。


 「ほう。さすがマカリーの孫。命令しなくても精霊に守ってもらってるとはな」


 「……誰だ! ゴロツキをよこした奴か?」


 ルナードは、ふらつきながら上半身を起こし、岩壁に立つフードを被る男を睨み付けた。


 「あやつ、上手い事考えたもんだ。女装させるとはな!」


 「!」


 ディアルディは、ぎょっとする。だがルナードの方は驚く素振りを見せず、男を睨み付けている。


 「森に火をつけたのは、あなたですか? 精霊を扱うと言うのに!」


 男の言葉を無視して、ルナードは叫ぶ。


 「あぁ、おびき寄せる為にな。精霊で火を消しに来ると思った」


 私がターゲット?


 そう驚くルナードだが、次の言葉でディアルディだと確信する。


 「街に買い物に来たのでな。あの女がじゃまでな」


 「彼女には、手出しさせない! 私の婚約者だ!」


 スーッと、ディアルディの前にルナードは出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。