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偽り神官様は恋をする  作者: すみ 小桜


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第22話 見えないマカリーの思惑

 ここは? 俺、どうしたんだっけ?


 うっすらと目を開けた視界に、ルナードの心配そうな顔が見えた。

 ディアルディは、自分が斬られた事を思い出す。


 「大丈夫ですか? 守り切れなくて申し訳ありません」


 ディアルディは、首を軽く横に振る。


 男だとバレていないのか?


 傷が癒されているのをディアルディは気がついた。ならば、服を脱がしただろうと察しがつく。


 「すみません。治癒するのに少しだけ衣服を脱がしました。肩の部分だけです」


 「………」


 ディアルディは、こくんと頷いた。そして、ゆっくりと上半身を起こす。


 「よかった。動けるようですね。立てますか」


 頷くディアルディの手をひっぱる。


 「歩けそうですか?」


 こくんとディアルディが頷き、二人はゆっくりと歩き出した。


□□□


 家に着き、二人を見たラルーが悲鳴を上げた。悲鳴を聞いたマカリーも現れるが、二人を見て何があったか察した。


 「申し訳ありません。守り切れませんでした」


 ルナードは、マカリーに頭を下げた。それにディアルディが驚く。


 「で、怪我は?」


 「ディアルディさんが怪我しましたが、治癒しました」


 「あなた、力を使ったの!?」


 ラルーが、ディアルディの前で使ったのかと驚いた。


 「そうか。ありがとう。ディ、着替えておいで」


 マカリーに言われたディアルディは、頷いて部屋に向かった。


 「ルナードは、私の部屋に」


 「はい」


 マカリーの後を歩き、彼の部屋へ向かった。


 「何があった?」


 「男、三人組に襲われました。その男どもは、ディアルディさんを狙ったのではないかと思うのですが、心当たりはありますか?」


 「すまない。彼女は、命を狙われている。ただ、命令を下しているのが誰かは、まだ確証を得られてないくてな」


 「話して下さいませんか?」


 「それはできない」


 「はぁ!? いや、ここまで来たら話して頂かないと……」


 ルナードは、マカリーが事情を話すつもりだと思っていた。だから部屋に呼んだのだと。


 「じゃ、口止めですか? そのつもりで部屋に呼んだのですか?」


 「いや、確認の為だ」


 「そうですか。あの男達、妙な事を言っていましたよ。男二人組を襲えと言われたってね!」


 「……で?」


 「で! って! 知っているのでしょう? ディアルディさんが男だって! 私が女だと彼は知っているのですか?」


 「いや、知らない。お前の事情も何も話していない。じゃないと、フェアじゃないだろう?」


 フェアって!!


 「では彼に、私は女だとお話しするつもりですか? でないと、公平はないですよね?」


 「いいや。ディが自ら明かすまで、知らないフリをしてほしい。彼がお前を本当に信頼できる者として明かすまで」


 「わかりました。宜しいですよ。そうしましょう。ですが、私が女だと知られれば、魔女だとバレてしまいますけどね! 信頼して明かしたのにかなりショックでしょう!」


 何を企んでいるだ! この狸!!


 ルナードは、心の中で悪態をつくのだった。

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