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プロローグ

 穏やかな昼下がり、庭での優雅なティータイム。

 ゆったりとして紅茶を口に運ぶ少年は、目の前に優雅に紅茶をたしなむ美少女を鋭い視線で見ていた。彼の紫色の瞳の奥からは、彼女の本性を探るかのような視線。

 そして、それをわかっているもそ知らぬふりでいる彼女は、ふと顔を上げにっこりと微笑む。その彼女の黒い瞳もまた、目の前の彼を探るかの様だ。


 少年の名は、ルナード。少女の名は、ディアルディ。

 二人は昨日、婚約を取り交わしたばかりだ。

 そして、それぞれ怪しむ二人には、共通した秘密があった。

 それは――二人共、性別を偽っている事だった! 二人はそれを知らない――。

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