表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

任命記念日

「今日から君を、まぁ、ええか大臣に任命する」


 突然そんなこと言われても困る。

 そう反応されることが今まで多かったんだと思う。


 私がすんなりオッケーを出すと、オッサンは逆に聞いてきた。


「え? いいの?」


「うん。なんか面白そうだし」


 二つ返事でオッケーした私の、変わり種に読者はむせることのないよう、これを読んでいる間は水分補給は控えてほしい。


 ちなみにこのオッサン、私がオッサンと呼んでいるだけで名前は知らない。


 おい、そこのオッサンと呼んでも怒らないので気に入っている。

 オッサン界でも近づきやすい種族だ。


 だけどこのオッサン、たまに私のことを豚と呼ぶ。

 もちろん、すぐにグーパンだ。


 え? それはひどいって?


 だって、豚だよ?

 メス豚とか、子豚じゃなくてただの豚。

 哀愁さえもただよってくる。


 今日はママが出張だから、オッサンと私の二人暮らしだ。


 ちなみにオッサンはママの紐。

 あ、間違えた。ヒモ。

 紐の方がまだ役に立つ。


 本当のパパは冒険に行ってくるって言ったっきり帰ってこないんだ。

 あ、暗くならないでね?

 

 パパの代わりにオッサンをいじめる毎日も悪くないって思ってる。


 それにしても総理大臣は国民に一人しかなれない狭き門だけど、まぁええか大臣はどの程度の競争率なのだろう。

 それとなくオッサンに聞いてみる。


「君のママも昔まぁええか大臣だったよ」


 そうか。一家に二人の競争率か。

 ちとがっかり。


「ところでまぁええか大臣って何すればええの?」


「んー。考えとくよ」


 大いにがっかり。

 まぁ、徐々に方向性は固まってくるよね。


 ゆっくりいこう。


 晴れてまぁええか大臣に就任した私は、タンスから春色を探し始めた。鼻歌を口ずさみながら。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ