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福田カタルシス  作者: 田中健司
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 学校――福田の通う桜宮高校の校門の前で立ち止まった。


「……はぁ」


 憂鬱だ。


 中学時代オレは友達がいなかった。


 だから高校では友達を作ろうと思ったのだが入学早々誰にも話しかけれず、7月になった今でも誰一人仲のいい友達ができていない。


 5月の中間考査で学年トップの記録を出したのがいけなかったのか、いつも勉強しているイメージがあるようで誰からも話しかけられない。


 このまま悲惨な3年間を送るのだろうか。


 思考をやめ3階にある1年Aクラスの教室に入った。


 もう教室は半分以上席が埋まっており、ボーッとしている生徒や数人で話している生徒もいる。


 オレは窓際の後ろの方にある自席に座った。


 隣の席では、女子が3人組で話している。


 内容は昨日放送されたテレビドラマのことらしい。


 今期やっているドラマ「ロケットダンス」は実はオレも見ているのだが、ここで話しかけれるほどの勇気は持ち合わせてはいない。


 彼女たちがどんな話をしているのか気になるので、鞄から取り出した小説を読むふりをしながら耳を傾ける。


「ロケットがさあ、飛んだんだよー」


「ね、ロケット飛んでたね」


「ロケットかっこよかったね」


 こいつらほんとに見たんだろうな。


 確か昨日放送されたところではまだロケットは飛ばされてなかったはずだ。


 こいつらはいったい何を見たんだ。


 これ以上聞いてもくだらないので、小説に集中した。


 そこから数分ほど経って、始業を告げるチャイムが鳴った。




 高校の授業なんて小学校と何ら変わらない。


 6時間の授業が無事に終了した。


 そして放課後、大半の生徒が部活動に向かっていく。オレは部活に所属していないため家に直行しようと思う。


 こんな時友達でもいれば帰りにコンビニやゲーセンに寄ったりするんだろうな。


「あの、福田君」


 教室から出ようとしたとき、眼鏡をかけたひ弱そうな少年が話しかけてきた。


 確か名前は川石太郎だったはずだ。


「なに、川石君」


「えっと、僕に勉強教えてくれないかな」


 まさかこんなことを言われるとは思わなかった。しかしこれはチャンス。うまくいけば高校生活初めての友達を作れるかもしれない。


「いいよ」


 引き受けることにした。

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