prologue
新作をあげてみようと思います!
prologueですので軽く。
感想、批評、お待ちしております。
@kaz07251にも是非。
空が……蒼い。
【END of the WORLD】
インカムをつけていても耳を貫く加速音が徐々に強くなっていく。
身体にぶつかる風を感じながらさらに加速する。
隊列を組み一糸乱れず加速する。
『目標距離300』
「了解」
目を覆うバイザーに表示された敵艦を示す赤いマーカーがグングンと近づく。
『目標距離150。武装の展開を許可する』
「了解」
もうはっきりと見える敵影は黒く巨大。
後尾に登る国旗は星条旗。
『敵艦、新アメリカ合衆国戦艦ハルバード』
「確認」
『距離100』
「確認」
『近距離戦闘用空対地対艦斬撃兵器R-208Xによる撃破を命ずる。戦闘後経路117より戦艦大和に帰還せよ。幸運を』
「了解。通信終了」
左右手首の装甲が展開し大振りな黒い剣が開く。
先端から迸るクリムゾンレッドの電流。
超高圧電流による溶かし斬る剣。
砲台がこちらを向く。
敵の焦り様が手に取るようにわかる。
砲台が火を噴き、対空迎撃システムが唸りをあげる。
『こちらC2、右タービンがやられた。離脱する』
「C3離脱を援護しろ。C4、C5、右前方の砲台を落としてくれ」
『こちらC3、了解』
『C4、了解』
「C5、了解』
戦闘機には真似できない機動で二機のZEROが飛ぶ。
新兵器R-208Xは新アメリカ合衆国の主力戦艦の砲台をたやすく切り落とす。
「よくやった。これよりC1は最大出力で攻撃に入る。その位置より兵装をR-208Yに変更し援護せよ」
『C3、了解。……換装完了』
『C4、了解。……異常発生、換装失敗。R-208Xのまま右前方30を飛行する』
「C4了解。頼むぞ」
2機編成を組む。
C4が弾幕を破る。
海面すれすれを飛行して一気に距離を詰め、出力をあげつつ敵艦のボディを切り上げながら急上昇。
(断ち切った‼︎)
轟音と黒煙、立ち込める熱気の中無線を開く。
「こちらはC。作戦は成功。経路117より帰還中、大和は着艦体制を整えられたし」
『こちら大和。着艦準備は完了している。……よくやった』
「ありがとう。……通信終了」
2098年8月16日 極東の島国 日本国はカナダを併合した新アメリカ合衆国に宣戦布告され、第二次太平洋戦争に突入した。
2098年10月13日 ミッドウェー海戦で皮肉にも日本は空母6隻により新アメリカ合衆国の空母部隊を撃沈させ進撃。
しかし進展ないまま戦争は続き、2101年4月。
日本国軍は神風特別攻撃隊を編成。
特殊飛行モビルスーツ「ZERO」による高機動戦闘部隊として活躍していた。
人がそのまま飛び、戦うことによる大幅な小型化は戦闘機による撃墜が難解でレーダーに探知されにくく、日本国軍の「神風」「ゼロ」として恐れられた。
日本国軍は新米国本土に上陸し、首都ワシントンD.C.を目指す。
しかし2101年12月。後に「血塗られXmas」と呼ばれる日に新米国飛行特殊兵団「LIBERTY」が出現した。
現在2102年4月、両国はパールハーバーの制空権を争っていた。