↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で新たな人生を  作者: ミト
幼少期
6/45

魔法と魔術の違い

 朝食を食べ終えた後は、いつもしていることがあるんだけど、そろそろかな?

 コンコン。

 あ、来たみたい。

「開いてる」

「…………」

 入ってきたのは、予想通りの顔。何冊かの本を抱えて入ってきたのは、私と同い年の男の子。

 ………………うん。何度見てもきれいな顔だなあ。眼の保養。

 光沢のある、透き通る水を思わせる淡い水色の髪に、瞳に月を思わせる黄金色を宿して、幼いながらも神様が手ずから創り出したかのように人間離れした中性的な美貌を持っているこの少年の名前は、クレス。まあ、人間離れって言っても、彼も人族じゃあないんだけどね。

「…………」

「ん。おはよう」

 本来なら彼も外で遊んでるはずなんだけど、ちょっと問題があって他の子と一緒に遊ぶのが難しいので、私と一緒に過ごすことにしてる。

 ん? 問題? いやあ、クレスの種族は訳ありの人種が集まるここの中でもさらに特殊でね。その上この人間離れした美貌に加えて、かなりの無口&無表情のせいか他の人達が尻込みしちゃって、コミュニケーションとるのが難しいらしい。私はそうは思わないんだけどなぁ。顔見れば何言ってるかはわかるし。本人も身振り手振りで伝えてこようとしてくるし。

「……」

 熱?

「も、平気。下がった」

「…………(コクン)」

「ん。ありがと」

「…………」

 クレスが抱えてた本を差し出してきた。またお礼を言って受け取る。

 クレスは窓際の椅子に座って、自分用に持ってきた本を広げる。

 お互い、この時間は好きな本を読んで好き勝手することにしてる。

 クレスに持ってきてもらったのは、一階の書庫にある本。魔法に関する本だ。

 とりあえず知識を得るならまずは書物から。少し前から、クレスに頼んで、魔法関連の本を片っ端から持ってきてもらってた。

 幸い、魔法に関する基礎知識についての本は無事にあったので、そろそろわかったことについて、まとめてみよう。

 まず、一番大切な前提を挙げよう。この世界では、魔法ともう一つ、魔術と呼ばれる技術が存在する。

 魔法についての説明を最初にしよう。

 魔法についてわかったことは、魔法を扱うことについて、才能はいらないということ。

 魔法は、一定の法則に従って描かれた『魔法印(前世の世界でいう魔法陣みたいなもの?)』に魔力を流せれば、誰にでも使えるというもの。魔法印によっておこる効果は決まっている。だから、魔法に必要な才能とは、魔法を扱うための才能じゃなく、新たな魔法印を創り出すための才能となる。まあ今の時代、全く新しい魔法印を創り出すのはかなり難しいとのこと。少し考えて思いつく程度の発想や構造は、とっくの昔にその時代の賢者達が編み出しているからだ。

 つまり魔法とは要するに、魔法印を発動できるだけの魔力を持っていれば、誰でも扱える技術だということ。

 必要魔力量の多い魔法印もあるけど、必要魔力量の少ない魔法印は、一般家庭にも普及してて魔法印の刻まれた料理器具が使われてたりしている。

 どんな大きさでも正確な形さえ描いてあれば発動できるので、本の1ページ1ページに別の魔法印を描くこともできる(世に言う魔道書)。

 ただ、魔法は既存の効果しか発しないので、柔軟性に欠けるらしい。


 対して、魔術の方はというと。

 えーと、魔力を持つ生物は、生まれながらに『魔力開放陣(通称、陣)』と呼ばれるものを持っている。前提の説明かな。

 陣は魔力と一緒で、使い方は本能的に理解できる……。大雑把な言い方だなあ。確かに、なんとなくやり方はわかるけど。説明のしようがないのかな。これでやり方のわかんない人が出てきたらどうすんだろ。その人は才能がありませんって? んなあほな。

 陣に描かれている模様は、術式と魔力の循環図を示した展開式で、人によって千差万別、同じ模様は存在しない、らしい。

 なぜ、らしいとついているのかというと、陣は基本的に本人しか確認できない。他の人が陣を見ても、どうしてか陣の模様を認識できないっていう現象が起こるから、とのこと。

 それで、魔術の使い方はっと………………『陣』の設定をいじって、己の望む術式に書き換える? んー、よくわからん。

 他には…………魔術に必要なのは知識と、それを応用する想像力? ここらへんは読んでもよくわかんないな。

 けど、魔術について書いてあるのはこの程度だしなぁ。魔法と比べて書かれてる量が少ない。

 ただ個人的には、魔術なら何とかできそうな方法がある気がするんだけど。ここらへんは実際に実験してみるしかないかな。一通り知りたいことは読み終わったし。

 魔法印の種類についても時間があるときに調べよう。まずはこの魔術とやらと、魔力の使い方の実験でもしてみるかな。

 この部屋では……ばれたときに面倒そう。流石にこの歳で魔術の勉強してたらおかしいし。そもそもクレスに絵本以外の本持ってきてもらってること内緒だし。

 裏庭から少し林に入れば見つかりにくいかな? ただあそこ、あんまり奥に入ると侵入者避けの罠が張り巡らされてるらしいんだよなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。