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sweet学園♪  作者: 粗品
4/7

3:剣道部の人たち

連投です

「メーン!」バシッ!

 僕が部室に入ると先輩が防具人形相手に練習をしていた。

「おつかれさまでーす」僕は腹に力を入れて挨拶した。

「おう!亮介か!」と面を外し先輩はニカッと笑った。

 この人は徳田信介とくだしんすけ。剣道部部長だ。弱小剣道部に身を置きながらも

 個人戦で全国大会に出場するほどの腕を持っている。

 生徒会からの厳しい目の中、恥ずかしながら彼一人でこの剣道部が

 もっているというのが現状だ。

「他のヤツはまだ来てないぞ。ん?どうしたその足?」

 足をかばって歩いているのを見破られたので「じつは…」と話すと

「何だそのラブコメのノリは。がはははは」と大笑いした。

「いや、笑い事じゃないですって。しかもなんかさっきより悪化してるし」と足をさすりながら言った。

「いやすまん、まあ早いとこ病院行けよ。そうか…実はな…銅山先生も足をやってしまってな」

「ええ!」銅山先生とは剣道部顧問の先生だが見た目は理系。それもそのハズ

 まさに生物の先生なのだが、剣道部の前顧問の先生が定年でいなくなり

 完全に部の存続自体が宙ぶらりんになった時僕らが頼み込んで顧問になってもらった

 のだった。

「どうやら骨折で完全に入院しちまってな一週間は部活どころか学校にも来れないそうなんだ」

「そんな…てことは」ということはもともと厳しかった生徒会の目がますます厳しくなるのだ。

 この学園では生徒の自主性を重んじるとか何とかで部の予算は生徒会と各部活の会計と部長が集まって

 会議という形をもって決める伝統がある。勿論顧問も出席するのだが顧問不在の部活は当然

 発言力が極端に落ちてしまうのだ。しかもその予算会議は明日開かれる予定だ。

「正直あんな先生でもいてくれないと困るな」と僕がいうと

「まあ確かに…て、あんな先生はないだろ!がははは」 「はぁ…」二人でため息をついた。

 今日は厄日だ。そんな言葉が脳裏をよぎった時誰かが部室に入ってきた

 がちゃ

「ちーす」こいつは久慈進くじすすむ。先週入部したばかりの一年生だ。

「おう進か、八坂は一緒じゃないのか?」と先輩が答えた。

 八坂とは八坂晋平やさかしんぺいという同じく一年生だ。

「なんか腹痛でガッコ休んでましたよ」と進が淡々と答えた。こいつは先輩相手でも物怖じせずに

 しゃべる何を考えてるか良くわからないヤツだ。「なんの話スか?」と聞いてきたので

 今までの経緯を要約して話した。すると「うーん。なんていうか間抜けな話ですね」

「うっ」正直この足の話題はコイツにしたくなかった。

「何よりこの部活会計っていましたっけ?」と続けた。そういえば会計がいないことに今更気づいた。

「そういえばそうだな。よしとりあえず亮介。おまえ会計やれ」と先輩が指名した「僕っすか?」

「いや、それはどうかな」とすかさず進はいった。「だって先輩足怪我してるじゃないですか。

 しかも自転車に轢かれて。そんな状態で行ったんじゃ健康管理も出来ないって突っ込まれても仕方ないですよ」

「うーん確かにコイツの言ってることも一理ある。じゃあお前来い」と先輩が進に言った。

「別にいいですけど俺や八坂は一年ですよ。原則として会計は二年生が行くものだって決まってるでしょ?

 僕がいっても発言権ないですよ」と淡々と言いやがった。「じゃあどうすればいいんだ!」

 先輩が嘆くと「お手上げですね」と進は言った。この野郎いつかうめてやる。

 ここで部員の後の一人は?というと三年生の燕知哉つばくろともや先輩は現在休学中。

 家庭の事情らしいが噂では単身アメリカで武者修行中ともいわれている。もともとフラフラしてる人で

 僕も数回しか会ったことが無い。先輩によると剣の腕は本物らしい。

 とにかく生徒会は健康で生きのいい二年生をご所望さ。「はぁ…」僕と部長はまたため息をついた。

 もうこの際二年の帰宅部のヤツに声をかけてみるか?この際斉藤…いやあいつはダメだ会計にするには不安すぎる。

「そういえばこの部にもマネージャーが欲しいですよね」と進が呑気に言った。もういいお前はしゃべるな。

「理想は黒いショートヘアーで美人で背は高すぎず低すぎずって感じの…」なんだコイツ?まるで目の

 前に女がいるようなしゃべり方しやがって…?この感じは?入り口の方を振り向くと

 そこには早馬凛が立っていた!

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