私が見たもの2
私は小学低学年の頃から、いわゆる“金縛り”という状態によくなった。
たいがいは金縛りになる直前、厭な気配がゾワゾワゾワとあたりに漂い、
(あっ、また来る!)
と目が覚めるのとほぼ同時に金縛りになり、あたりの空気が凍りつき、何かの気配が……
といったものなのだが。
三十年程前の事。
いつもの様に
(あっ、また来る!)
と目が覚め…たものの。
どういうわけだか瞼が開けられなかった。
が、目は開いていないのに、頭の中には自分の周りが映っていて、ちゃんと“見えて”いる?それに
(?)
と思っていると
左を向いて横になっていた私から、少し離れたところにある部屋の壁が、これもどういうわけだか透けて(?)暗い外が見えていた。
その状況に更に
(??)
と思い、透けて見えている暗い外を目が開いていないまま見ていると、何やらモーターでも唸っている様な
“シュインシュイン”
という機械音めいた音が聞こえだして、壁の向こうの暗い外に青白い火の玉(?)が現れた。
その青白い火の玉は、そのまま凄いスピードで私の左目から後頭部を
ズバン!
と音をたてて貫通していった。
(?!!)
と驚いた拍子に金縛りは解けた。
が。
その時布団の中では、私にくっついて愛犬マイケルが寝ており、マイケルは横になって寝ているまま
「ウーッ!ウゥゥーッ!!」
と唸り、全身をピクピクと痙攣の様に震わせていた。
それはただ、いつもの様に夢を見て寝言を言っている様な状態ではなかった。
マイケルはどうやら身体を動かせないでいるらしかった。
私が布団をめくって、唸りながらピクピクとしているマイケルに声をかけて身体を揺すると、マイケルは
(……??)
といった様子で、ぽかりと目を開けて私を見上げた。
“動物がそばにいると金縛りにならない”
という説もある様だが。
どうやらそれは間違いらしい。
火の玉が頭を貫通していった事も驚異だったが。
自分の愛犬が金縛り状態になっているのを目撃した事の方が、より興味深くも思える。
愛犬が金縛りになっているのを目にしたのは、さすがにこの時だけである。




