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恋をした瞬間に死ぬ呪いなので、無口な騎士様とは家族のふりをします  作者: 百花繚乱


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第2話:無口な騎士様は、安全な距離を保つ

レオンは、本当に距離を守る人だった。


 私が立ち止まれば止まり、

 一歩進めば一歩遅れて進む。


 触れない。

 見つめすぎない。

 でも、視界の端から消えない。


「……騎士様」


「何だ」


「近すぎませんか」


「近いと危険だろう」


「今の距離も、十分近いです」


 彼は少し考えてから、半歩だけ下がった。


「これでどうだ」


 ……調整が細かい。


 城の医師は言っていた。

 心拍数が上がると死ぬ。


 だから私は、感情を殺す訓練をしてきた。

 嬉しい時も、悲しい時も、平らに。


 なのに。


 レオンが差し出す水。

 黙って用意された上着。

 誰にも聞こえない声での「足元に段差がある」。


 そういう“何でもない優しさ”が、

 一番心拍に悪い。


「……騎士様は、誰にでもこうなんですか」


「任務だ」


「任務で、ここまでします?」


「……する」


 嘘じゃない。

 でも全部じゃない。


 私はそれ以上聞かなかった。

 聞いたら、何かが壊れそうだったから。

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― 新着の感想 ―
距離を完璧に守る騎士と、感情を押さえ込む主人公の微妙な心の揺れが丁寧に描かれていて、胸が締め付けられます。 「何でもない優しさ」が危険になるという逆説が切なく、二人の関係の危うさと静かなときめきがじん…
距離の描写だけで一話を成立させているのが見事。 半歩、視線、立ち位置――すべてが「触れない優しさ」として機能しています。 読者はこの時点で、 この人の優しさは、心拍に悪い と理解してしまう。 恋愛が…
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