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タイム・リセット

「ユーレイめ!! 早速裏切るとは!」


 建成の咆哮が螺旋階段に響く。


「『因果応報という言葉を知っているか! 覚えておくといい! 自分のやったことは必ず自分に帰る!』

 ……鬼太郎の言葉です」


「……あ、ごめんなさい。考え事をしていて、全く聞いてませんでした」


 魔術師スタンウェイは建成の背中の上におぶさっている。


「まるで妖怪、『ぬらりひょん』ですな」


「あーはいそうですねー」


「なんです? 何やら、先ほどから上の空のようだが」


「……考えてみたのです。私たち以前、ガラス細工の動物が並んでいる場所に行ったことがありますね?」


「あー。えーと……エレベーターを上がった所……でしたっけ?」


「そうです。部屋の入り口に書いてあった言葉を覚えてますか?」


「忘れました」


「……、『17番の動物を祭壇に捧げよ』」


「ああ。そんなんでしたっけ」


「『ライオン』を、ドゥングリ語で書くと『LION』です」


 スタンウェイは建成の背中に指で書いた。くすぐったい。


「この文字を、ひっくり返すと……」


 スタンェイが再び建成の背中に文字を書くと……


「ひん!!」


 あまりにものこそばゆさに、建成は情けない声をあげた


「……『NO17』になるんですよね」


「誠にございますか!?」


「ここで悪人を待っていても何も始まりません。どうですか?行ってみませんか?」


「そうですね! そうしま……あれ?」


 建成の視界が歪んでいく。


「タイムアウトですか!? いくらなんでも早すぎやしませんか!?」


「……あの盗人が、何かやったのかもしれませんね……」


 そうして二人の意識は遠ざかり、建成は王の間に、スタンウェイは、王の間の脇の兵士詰所に強制移動された。






 一方、【世界最後の喫煙所】

ダイヤル式の鍵を開けたベーゼンドルファー。

扉をくぐっていった……。





【カスタマーセンターにつながる電話ボックス】




「なんだ?こりゃあ……」


 ベーゼンドルファーが目にしたものは、それまで彼がみたことのない景色であった。

暗く狭い部屋に、街灯に照らされた公衆電話ボックスが立っている。

ベーゼンドルファーは、とりあえずガラス張りの扉の中に入ってみる。

公衆電話には、受話器のみがあり、小銭を入れる場所もダイヤルスイッチも存在しなかった。


 とりあえず、触ってみる。プラスチック製のなんの変哲もない受話器だが、ベーゼンドルファーには見たことも聞いたこともないものだった。

恐る恐る、受話器をとってみる。

……すると、受話器に開いた小さい穴から人の声が聞こえてきた。


「こちら、ドゥングリカスタマーセンターです。ご用件はなんでしょうか?」


「ん!?」


 思わず受話器から顔を離すが、ベーゼンドルファーは聞き逃さなかった。


「……カスタマーセンター?」


 そして記憶の断片をかき集め、『カスタマーセンター』についたら何をするべきか思い出した。

確かカスタマーセンターでできることは、『タイムリセット』『強制終了』『銀行のダイヤルを聞ける』


 ベーゼンドルファーは、試しに……


『銀行の、ダイアルを……教えてくれませんか?」


 と聞いてみた。


 すると、受話器の向こうの声は、



「ノルランド銀行のダイヤルは、『6・5・4・3』でございます」


 なるほど。ここがどうやら、『カスタマーセンター』で間違いがないようだ。

ここを知っていることは強い。タイムリセットを手に入れたようなものだ。


 ……さて、それがわかったら後から五月蝿い奴らが来る可能性がある。

一旦、地下牢にとんずらするとしよう。

確か、強制終了の方法は……


「外に出たいです」


「かしこまりました」


 そして、ベーゼンドルファーの視界は歪んでいき、意識が遠ざかっていった。


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