もうすぐ体育祭
俺はいつものように楓真と一緒に登校していた。
気分は上機嫌。
良い事があったんだ!
鼻歌交じりで歩いている。
「なんか良いことあったのか?」
楓真に尋ねられる。
俺は笑って答える。
「響生と今度、買い物に行く事になったんだ!」
「へーなんでそんなに嬉しそうなんだよ?」
「そりゃあ響生は良い奴だからさ。仲良くなれて嬉しいの!」
そう言ってドヤ顔する俺に楓真は溜息を吐く。
ちょっと調子乗りすぎたかな?
まぁいいや。
とにかく俺は楽しみだった。
「そういやさ」
何かを思い出したように楓真がそう言う。
「ん?」
俺が相槌を打つと
「明後日、体育祭だけど悠は自信ある?」
すっかり忘れていた。
たしか借り物競争とかリレーとか二人三脚とか色々な種目があったよな。
それで俺は二人三脚になった。
相手は白井。
一匹狼みたいだけどただのコミ障の奴。
まぁ最近、前よりはマシになってきたからいっか。
これできっと他の人とも仲良くなれるだろ。
俺が頑張って教えた成果が出るといいなぁ。
「楓真は何に出んの?」
「リレーでアンカー」
「すげーな」
「まぁな」
「さすが楓真!」
そう褒めると顔をそらされた。
照れてんのか?
ちょっと褒めただけなんだが…?
響生は借り物競争に出る事になるって言ってたな。
兄は二人三脚だったっけな。
空は…なんだったっけ?