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目玉焼き
明日から私は目玉焼きに何をかけるんだろう
あの人と別れて私が最初に持った疑問だった
時は進む 心とは裏腹に
驚くべきスピードを纏って進んでいく
3年経った今でも変わらず私は朝ごはんで目玉焼きを食べるし、香りも声も笑うと出る目尻のシワも
忘れることが出来ないままだ
彼と私は何もかもが違った
年齢も性別も音楽の趣味もなにもかも。
共通点など学生時代に球技をやっていた程度で、作らないとないものであった
そこで私が思いついたものは目玉焼きだった
何をかけるかという問題は結婚生活で重要になってくるとどこかのうさんくさい女優が言っていたのだ
そんなことすらも信じてしまうほど私は必死だった
まだ付き合って居ないのに結婚を見据えるなんて少々早すぎる気もするが
私にはそれが本当に大切なことのように思えた