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TRIGGER'S  作者: AAAAA-DOMARIKA
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第8話 邂逅

それに対して、相手は左腕が左を潰さぬよう止め、話しかける。


?「なんだと?一体どういうことだ。」

左「そのままですよ。私が勝ったんです。あなたに。あなたは私に負けたのですよ。それ以外に、何もありません。」

?「死に際で気でも狂ったか。じゃあ、死ね!」


そう言って、再び力を強めようとする。

が、その時だった。


?「失礼しまーす!!!!!!!」


とてつもない音量でそう声が扉の奥から発せられ、少しの静寂の後に、扉が跳ね飛ばされる。

そして扉は押しつぶそうとする左腕よりも左側、つまり背中に命中する。

流石にケモノのままの肉体にものすごいスピードで扉が命中すれば誰だって耐えることはできぬもの。

そのまま腕から力を抜き、その場に蹲ってしまった。

その間に左は拳銃を回収しに行き、元々扉があったほうを見る。


左「全く。遅すぎなのではないのでしょうか。団長さんに陰裏さん。」


そう、そこにいたのは時雨と陰裏だった。


時雨「しっかし、陰裏の力やっぱし強すぎないか?」

陰裏「まぁ、機械を粉砕、いや、故障するぐらいですからね。」

左「それ、わざわざ言い直す必要ありました?」

時雨「まぁいいじゃねえか。それよりも、さっさと片付けるぞ。」


そう言いながら、時雨は蹲ってはいるが、何とか辛うじて立っている相手のほうを指さす。


?「ぐぐぁ...よくもやってくれたじゃ...ない、か...」

時雨「おぉ、まだ喋る気力があるか。んじゃ、樹。頼んだぞ。」

陰裏「え?大丈夫なんですか?もしかしたら肉体破裂しちゃうかもしれませんよ?」

時雨「うーん...まぁ大丈夫だろ!!」

陰裏「えぇ...」

時雨「ほらほら、さっさとやるぞ、あいつが来ない前に。」


それと同時に、相手は少しずつ歩き始める。

だが、それと同時に時雨は能力を発動させる。


時雨「 ―― 深淵(シンエン)()】 ―― 」


時雨が左手を前に掲げ、全てを指を相手と自分の中心部分に向ける。

すると、その地点に空間の歪みがほんの一瞬。

目には見えないくらいの時間発生する。

それが消えると共に、相手はその地点へと吸い込まれるように動く。

そして空間の歪みが消えると同時に、その場所に相手は着いてしまう。

それには時雨、陰裏、左以外のケモノ、その吸い込まれた相手だけが驚いていた。

そして、ふとその状態に気を取られ目を離したすきに、何者かがものすごいスピードで足で地面を蹴って近づいてくる。

それは、深紅色の体毛にどこぞの軍隊のような長袖の上着とズボンを着ており、肌の部分が顔以外全く見えないケモノ。

そう、陰裏 樹だ。

陰裏がものすごい速さで近づき、右手を力いっぱい握りしめる。

そして、その拳を相手の腹部に向かって、思い切り放つ。


陰裏「 ―― 罰天(バッテン) ―― 」


そう言って、拳が腹部に当たると共に、膨大な力が腹部に押し込まれる。

そしてそのまま、奥の壁に飛ばされ、大きな罅の入った壁に衝突させられてしまうのであった。

流石にそんなことを受けてしまったら、耐えれるはずもなく。

そのまま意識を手放してしまった。


陰裏「あぁ......大丈夫...ですかね...?」

時雨「左。」

左「わかってます。今やりますので。」


そう言って、左は相手のほうに近づくそして、気絶しているのを確認した後、そっとその体に触れる。

そして、一言呟く。


「 ―― 没落記(ボツラクキ) ―― 」


その後、少しの間静寂が続く。

そして、ふと左は手を離し、時雨達に話しかける。


左「名前は、鈴木(すずき) 壮一(そういち)、年齢26歳身長150cm、見た目の通りに、ルーラーとの接合体。接合されたのは今日から16日20時18分前以前。それ以前の記憶は消去されています。最初、目覚めた時から能力者組織の壊滅を目的に指定され動いていたとされます。目覚めた場所はTRIGGERの拠点を出て右、直進、直進、左、左の路地裏です。適合率は初日が38%、そして今日の朝が69%、この戦闘中に73%で、戦闘中に無理矢理力を増大させたと思われます。目覚めから食事睡眠等の事を一切行わず能力者の発見を最優先として行動していたと思われます。現在は意識がありませんが、変わらず接合の代価は進行中。現在浸食率は左腕100%左肩74%その付近38%です。」

時雨「なるほど。また同じタイプか。」

左「そうです。まぁ、得られる有益な情報はこれくらいですので。後は政府側に任せましょうか。」

時雨「そうだな。んじゃ、とりあえず縛っとくか。」


そう言って、三人は左のベルトに入っているロープを使って、相手の身柄を拘束する。

丁度その時、階段から何者か達が降りてくる。

それは、複数人の警察服を着たケモノ達と、火蔵だった。


火蔵「大丈夫だったか、てめぇら。」

時雨「てめえかよ!何で寄りにもよっててめえなんだよ!」

火蔵「なんだ俺で悪かったかよ!てか、お前らあんま怪我してねえじゃねえか。ってことは、それほど強くなかったってとこだな。」

左「いえ、適合率は最大73%、浸食率は左腕100%左肩74%その付近38%でしたので、かなり強敵でしたよ。あくまでお二人は後から来たので怪我をしていないだけですけど、私はこの後病院に行ったほうがいいくらいの怪我はしてますよ。」

火蔵「あー、なるほどな。っま、後始末は俺らに任せとけ!んじゃ、お前等は帰っていいぞ。」

時雨「はいはいわかりましたよ。」


そう言って三人は出ていった。


火蔵「んじゃ、さっさと片付けるぞ。」




三人は外に出た後、少し会話をしながら歩いていた。


時雨「どうだった、あの接合体。」

左「そうですね。まぁ、私だけだったら恐らく今私はここにいませんでしたね。」

陰裏「まぁ、ですよね。恐らく、あの個体は接合の他、肉体強化も受けていると思います。じゃなければ、扉当たって気絶してますよ。」

時雨「だよな。しっかし、接合体も日に日に強くなってる気がするし、数も多くなってる気がする。一体、どうなってるんだか。」

陰裏「無理もないですよ。接合体はみんな目覚める前の記憶が消されてるんですから。」

左「政府側も調査が進まない以上、こちら側でも調査していくしかないですね。」

時雨「そうだな。今度また会議開くか。」

陰裏「わかりました。」

左「招致しました。では、私はここら失礼します。」

時雨「そうか。気を付けて行けよー!」

左「はい。では、また。」


そう言って、左と別れ、残った二人は拠点へ帰るのであった。

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