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TRIGGER'S  作者: AAAAA-DOMARIKA
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第6話 救助スル者、サレル者

その時だった。


「邪魔だァ!!!」


その声と共に、何者かが上から落下してくる。

この場にいる皆がそちらの方を見る。

そいつの姿は太陽のせいで影ができ、あまりわからなかった。

風能は、そいつが両手を大鎌を持っていることを確認し、隙をついてルーラー二体の拘束を解除し、ケモノを担いで離れる。

それにルーラー達も気づき、追いかけようとするが、


「逃げんじゃねぇ!!!」


落下してくる何者かがそう言い放ち、動く間もなく大鎌で両者共切られてしまう。

その痛みによって二体は追いかけるのをやめ、切られた場所を必死に押さえる。

その間、何者かは地面にきれいに着地してケモノを少し遠くに非難させ戻ってきた風能のほうを見る。


風能「ッ!...お前...だったのか。」


その何者かは、ネロだった。


ネロ「なーんか変な予感感じたから来てみりゃ、バケモンとケモノが2匹ずついたんでな。せっかくだから来てやったぜ。」

風能「さすがだな。そういや、赤座は来てないのか。」

ネロ「あいつなんかしらねぇよ。そんなことよりも、さっさとアイツラぶっ飛ばすぞ。」

風能「知ってる。」


二体がルーラーのほうを見ると、両者とも傷を押さえていた手は攻撃姿勢へと変わっている。


風能「じゃあ、行こうか。」

ネロ「分かってら。」


風能はネロに触れ、能力を発動してネロ全身に吹き荒れる風を纏わせる。

風能はネロにアイコンタクトを取り、ネロはその合図と同時に走り出す。

その時だった。

どこからか、銃弾がルーラーに向かって飛んでくる。

しかしその弾は外れ、ルーラーの前を通る。

だが、突如ルーラーの体の一部から炎が順に出てくる。

続けてまた数発飛んできて、またルーラーの体の一部から炎が順に出てくる。

ルーラーは炎を消そうと必死に手で炎を叩いている。

そして、少しすると奥から何者かが出てくる。


風能「なるほど、これで揃ったってわけか、赤座。」


そう、そいつは赤座だった。


赤座「全く。悲鳴が聞こえて人混みに流されて遅れてきてみれば、何をしてるんだか。」

風能「もうちょっと早く来れなかったのか?」

赤座「生憎私にはそんなことはできないのでね。」

ネロ「というか、お前はもうちょっと命中性を上げろ。だから練習に付き合えと何度も言ってんだよ!」

赤座「そうですね。考えておきます。」


そういいながら、赤座はルーラーの前に立つ。

そして、両腕を広げ、太陽のほうを向く。


赤座「あぁ、今日はよく太陽が出てらっしゃる。では、力を借りさせていただきましょう。」


そう言って、少しの沈黙が続き、再び赤座が喋る。


赤座「 ―― ()エシハ(クレナイ) ―― 」


そう赤座が呟くと、丁度ルーラーに赤座の影が当たっている部分から炎が湧き出してくる。

その炎は凄まじく、段々とルーラーの体を蝕んでいく。


赤座「状態は作りましたよ。では、私は被害者を運んでくるので。」


そう言って赤座は風能とネロを通り過ぎ、風能が運んだケモノの場所に行くのだった。

そして、場には二体のケモノと炎に苦しむ二体のルーラーが残った。


風能「んじゃ、どっちか片付ける?まあ、お前だろうな。」

ネロ「もちろん俺に決まってる。さっさとお前は団長にでも報告行っとけ。」

風能「はいはいわかりましたよさっさと片付けといてくださいね。」


そう言って、風能は離れていった。


ネロ「さて、一撃で片付けてやろうか。」


ネロは走り出し、ルーラーのほうへと向かう。

ルーラーもそれに気づき、何とか対処しようとするが、炎で焼かれ、身動きがあまりとれない状況であった。

その隙を付き、ネロは持っている大鎌を赤色の目のルーラーへと投げる。

そして、右手で空間を触る。

すると、そこに空間の歪みが発生し、黒い空間が現れる。

そして右手をその中に入れ、中から何かを取り出す。

それは、デザートイーグルだった。

右手を戻すと共に、その黒い空間は消え、元の空間に戻る。

そしてその間にも大鎌は飛んでいき、赤色の目のルーラーに命中して体を真っ二つに引き裂く。

そして持っているデザートイーグルを構え、至近距離となった灰色の目のルーラーに数発、弾丸を放つ。

その弾丸は頭部を全て貫き、肉体をぐちゃぐちゃにしていく。

そして、二体のルーラーはただの黒い液体と化し、大鎌も、弾丸も全てあの黒い空間に消えていった。


ネロ「終わったな。」

赤座「少し乱暴すぎかと思いますが、風能さんを戦闘から引きはがしてまでそんなに戦闘がしたいんですか?」


ケモノを運び終わった赤座が戻ってきて、ネロに話しかける。


ネロ「まぁ、別にいいじゃねえか。そのほうが自由に戦えるんだしよ。」

赤座「あなたがいいならそれでも構いませんけど。」


赤座は無言で右側を指差す。

ネロもその方向を向く。

そこには、戻ってきている風能がいた。


風能「あ、赤座。戻ったのかって、もう片付けられてんじゃねえか!はーッ、めんどくせもう一回伝えねえといけねえじゃん。」

赤座「その件については大丈夫ですよ。既に私が報告しているので。」

風能「マジで!?やっぱりお前はこういう時に頼りになるな!」

ネロ「無能がよく言えるぜ。」

風能「は!?どっちかと言えばお前今日俺を引きはがすことしかしてねえじゃん!どの口が言ってんだよ!」

ネロ「あぁん!?それ言ったらお前報告しかしてねえだろ!」

風能「あぁん!?てめえのほうが無能だろ!」

ネロ「うるせえなてめえのほうが無能に決まってる!」

(二体はずっと口喧嘩を続ける)

赤座「全く...阿呆共が。 (小さく呟く)貴様達、燃やしてやるぞ。」

風能・ネロ「あッすいません。」


急に風能とネロはしょんぼりし、赤座に連れていかれて行くのだった。

この時、赤座の顔は見えていなかったが、絶対怒りの感情が静かに出ていたであろう。

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